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 米Texas Instruments(テキサス・インスツルメンツ、TI)は、米ユタ州リーハイに300mmウエハー工場を新設すると、2023年2月16日(現地時間)に発表した 日本語版ニュースリリース 。投資額は110億米ドル(約1兆5000億円)である()。2023年下期に着工し、2026年の早い時期での生産開始を見込む。

図 新工場の概要
図 新工場の概要
写真右上方の水色の部分に、新工場が建設される予定である(出所:Texas Instruments)
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 現在、同社は生産能力増強とコスト削減に向けて、工場の300mmウエハー化を進めている 関連記事 。例えば、テキサス州シャーマンに新しい300mmウエハー工場を建設すると、2021年11月に発表した。シャーマンには最大で4つの工場を建てる計画で、2022年には1番目の工場の建設を始めた。この工場は2025年に操業開始の見込みである。

 シャーマン工場建設の発表に先立って、同社は米Micron Technology(マイクロンテクノロジー)からリーハイの300mmウエハー工場を買い取ることを2021年7月に発表している。Micron時代の同工場ではメモリーを生産していたが、TIはアナログ半導体と組み込みプロセッシングIC(マイコンなど)を生産するため、同工場の製造装置などの"衣替え"を行った。2022年12月に、TIの工場として稼働を始めたことを発表した。製造プロセスは65nmと45nmである。同工場を含めると、TIでは現在、300mmウエハー工場が4つ稼働している。

 今回発表された新工場は、現在のリーハイ工場に隣接して建てる。新工場完成後は、現工場と合わせて1つの製造施設として運営される。例えば、現工場と同じ65nmと45nmプロセスを使って、アナログ半導体と組み込みプロセッシングICを製造する。新工場が完成した際には、数千万個/日で製品を造る予定である。

 TIによれば、110億米ドルの投資額はユタ州史上最大だという。新工場の追加で、新たに800人の直接雇用が発生し、間接的には数千人の新規雇用が生まれるとする。また、同社は、ユタ州のアルパイン学区とのパートナーシップを強化し、学生の支援に向けて900万米ドル(約12億円)を出資する予定である。