東海国立大学機構と富士通は、ヘルスケア分野や宇宙分野での包括協定を締結した。先進技術とデータの連携によるウェルビーイング社会の創出や、宇宙における人類の活動の安全性を高める「宇宙天気予報」の技術開発で協力する。両者が持つ技術・サービスやネットワークなどを生かして活動を深化させる。
ニュースリリースヘルスケア分野では、地域に密着した健康・医療エコシステムを構築する。具体的には、富士通が開発するプラットフォームに、東海国立大学機構の健康医療ライフデザイン統合研究教育拠点(C-REX)が医療機関・自治体と協力して集めたデータと、富士通がグループ会社の電子カルテシステムなどから得たデータを集積する。それらを、富士通のAI(人工知能)技術や東海国立大学機構の医療的な知見を生かして共同で分析する。富士通は、分析結果を基にフレイル予防などのサービスを開発する。
宇宙天気予報は、太陽風の影響や宇宙環境を予測して地上での対策を立てる取り組みだ。同分野において名古屋大学宇宙地球環境研究所(ISEE)は、太陽表面の現象や太陽風、放射線に関する予測モデルのほか、衛星や地上で観測したデータベースを持つ。これらと、2020年に名古屋大学が導入した富士通のスーパーコンピューター「不老(フロー)」による大規模シミュレーション技術やAIを用いたデータ解析技術を連携させることにより、予測モデルの高度化とシミュレーションの高速化を図る。同時に、予報を支える人材の育成や制度化を検討する。