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フジクラはレアアース系高温超電導線材の生産能力を拡大する(写真:フジクラ)
フジクラはレアアース系高温超電導線材の生産能力を拡大する(写真:フジクラ)

 フジクラは、核融合炉の実証に取り組む米Commonwealth Fusion Systems(コモンウェルス・フュージョン・システムズ、CFS)にレアアース(希土類)系超電導線材を納入する。100K(セ氏-170度)程度で電気抵抗がゼロになる「高温超電導」を用いた実証炉で使われる。CFSへの本格納入を機に、フジクラは同線材の生産能力を拡大する。

 CFSは米Massachusetts Institute of Technology(マサチューセッツ工科大学、MIT)発のスタートアップで、世界初の核融合商業炉の実現を目指している。実証炉で採用する高温超電導は、超高磁場中での高い電流特性と強度を必要とする。そのためフジクラは、これらの要求を満たすレアアース系高温超電導線材の量産技術を確立した。同線材の採用により、超電導電磁石を小型化できる。

 レアアース系高温超電導線材は、ニッケルを主成分とする合金などのテープ状金属基板上に、レアアースなどから成る酸化物超電導材料を成膜した線材である。超高磁場中でも特性を発揮することから、次世代超電導機器への活用が期待されている。フジクラは、同線材の市場でシェアを確保するとともに、今後もさまざまな次世代超電導機器向けに製品を供給する。