米SIA(Semiconductor Industry Association:米国半導体工業会)は、2023年3月3日(現地時間)に2023年1月の半導体世界売上高(3カ月移動平均値、以下同)が413億3000万米ドル(約5兆6200億円:1米ドル=135.87円で換算)だったと発表した ニュースリリース 。前月比5.2%減、前年同月比は18.5%減である(図1)。
前年同月比の18.5%減は、2008年9月のリーマン・ショックに端を発した半導体不況以来の大きな落ち込みである。2008年12月~2019年6月の7カ月間、単月の半導体世界売上高は前年同月比20%以上減少した。ただし、回復も早く、いわゆるV字回復だった。実際、2009年12月~2010年9月までの10カ月間、単月の半導体世界売上高は前年同月比20%以上増加した。業界では、今回の不況も長くは続かないと期待されている。中国のゼロコロナ政策の終了や、巣籠もり需要一巡の副作用も早晩収まるとの予測などがその背景にある。
地域別の半導体売上高では、需要の大きな3地域の落ち込みが目立つ(図2)。例えば、中国は前年同期比31.6%減、「中国と日本を除くアジア太平洋地域など」(図2の「その他合計」)は19.5%減、米州は12.4%減となった。これら3地域の売上高を合わせると全世界の80%に達し、リーマン・ショック以来の大きな落ち込みの原因となった。