AI insideは2023年3月2日、東北大学の吉田和哉研究室と共同研究を開始すると発表した。両者は宇宙で稼働する月面探査用ロボットなどに搭載するAI(人工知能)について、ハードウエアも含めて研究開発に取り組む。「高耐久・高性能・省エネルギーな次世代型AI」の開発を目指す。
吉田和哉研究室は人工衛星や月面探査のためのローバーと呼ばれるロボット、クライミングロボットなどの研究に取り組んでいる。両者は既にワークショップを開催し、今後取り組むアイデアを複数洗い出した。クライミングロボットが月面などを移動する際に、アームでつかめる点を画像認識で判別して移動方法を最適化したり、ローバーの移動にかかるエネルギー消費を予測し最適化したりする案が出たという。
宇宙空間で稼働させるロボットが動作しなくなった場合、すぐに回収するのが難しいなどの観点から耐久性が高いハードウエアの研究開発にも着手する。加えて供給できる電力や計算資源が限られている環境での稼働を想定しているため省エネルギー性も不可欠だ。両者は共同研究で開発した宇宙向けの技術を、将来的には災害現場などで使うAIにも応用するつもりだという。