PR

 東京大学と米Google(グーグル)日本法人は、AI(人工知能)を活用した多遺伝子リスクスコア(PRS)モデル研究で協業する契約を締結した。Googleが開発したPRS予測AIモデルを、日本人を対象に再検証・改良し、東京大学のゲノムワイド研究の知見を基に評価する。日本における疾患管理や予防医療の発展に活用する。

ニュースリリース

 Googleは、ゲノム配列データにおける変異や個人差を特定するプロセスの精度を向上させるAIモデルを開発し、2018年に「Nature Biotechnology」誌で発表した。加えて、ゲノム配列データから目の色や特定の病気などの身体的特徴をより正確に予測できるモデルや、これを利用して特定の特徴に関連する遺伝子を発見するモデルも開発している。

 これらは欧州地域に祖先を持つ個人のデータを基に開発されており、その予測性能は他の集団では低くなる可能性もある。そこで今回は、非欧米系集団における肥満症、血液検査、2型糖尿病、心筋梗塞、心房細動など、さまざまなゲノムワイド研究を行ってきた東京大学医科学研究所の知見を基に、GoogleのAIモデルの性能を分析する。非欧米系で世界最大級の疾患バイオバンクであるバイオバンク・ジャパンに蓄積されたデータを使って評価する。

 東京大学とGoogle日本法人は、多様な社会問題の解決とAIが人と相利共生して生み出す未来社会「AI相利共生未来社会」実現に向けて、2020年10月にパートナーシップを締結していた。今回の協業もその一環となる。