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エンジン車とEVを並行して製造

 MAPでの生産ラインの統合に伴い、「Accord」の生産を2025年にインディアナ4輪車工場(IAP)に移管する予定。これにより主力モデルの生産量を維持しつつ、MAPのEV生産への移行が可能になる。

 アンナ・エンジン工場(AEP)は、2つのV型6気筒エンジン部品の工程をアラバマ4輪車工場(AAP)内のエンジン工場に順次移管する。1つは、多くのライトトラックに搭載しているV6エンジンのエンジンヘッドの機械加工を2023年3月からAPPエンジン工場に移管する。また、大型SUVの「Pilot」に搭載された新型V6エンジンのエンジンブロック鋳造を同年8月に移す。これらの移転により空いたスペースで、EVのIPU(インテリジェントパワーユニット)や電池ケースを生産する。

 ホンダは韓国LG Energy Solution(LGES)と合弁で、オハイオ州ジェファーソンビル近郊に新しい電池生産会社を設立する計画である。AEPで生産する電池ケースは、新会社が生産する電池モジュールと組み合わせ、MAPとELPで生産するEVに供給する予定。ホンダとLGESはこの電池生産合弁会社に合計44億ドルを投資し、年間40GWhの生産能力を目指す。

 MAPやELPでEV生産をするため、ジョージア州の変速機工場(TMP-G)ではモーター、変速機、パワーエレクトロニクスを組み合わせた電動アクスルの製造ラインを関連サプライヤーと連携して設置する。TMP-Gでは、現在使用していないスペースを活用して電動アクスル生産ラインを設置し、運営することになる。

 ホンダは2050年までにすべての製品と企業活動において炭素中立を達成するという目標を掲げており、その一環として、2040年までに自動車販売のすべてをEVと燃料電池車にするというビジョンを発表している。ただし、2030年以降も需要に応えるために現在のエンジン車およびハイブリッド車の生産は維持する予定。