PR

 米保険業界の非営利団体であるIIHS(Insurance Institute for Highway Safety)は2023年3月14日、米国で販売されている13車種の中型SUVの「モデレート・オーバーラップ前面衝突試験」を実施し、結果を発表した。同試験では後席乗員の保護性能も評価項目に加わったが、「Good(優秀)」を獲得したのは4車種のみ。試験したモデルはドライバーには優れた保護を提供しているものの、「その安全性を後席まで広げているのはほんの一握りだった」(IIHS)としている。

モデレート・オーバーラップ前面衝突試験
モデレート・オーバーラップ前面衝突試験
「Poor」評価となったホンダ「Pilot」の試験結果(写真:IIHS(Insurance Institute for Highway Safety))
[画像のクリックで拡大表示]

 モデレート・オーバーラップ前面衝突試験では、運転席の後ろに小柄な女性もしくは12歳程度の子供を模したダミー人形「ハイブリッド III」を乗せる。評価は、後席乗員に最も多くみられるけがに焦点をあてた、特別な測定基準を用いる。ダミー人形のセンサーで測定した値が、頭部、頸部、胸部、腹部、大腿部に過度の損傷を与える制限値を超えてはならない。また、衝撃で身体が前に滑ったとき、腰部に巻かれたシートベルトが腹部に上がらないか、シートベルトの位置がずれて胸部に損傷を与えないかなども確認する。