日本マイクロソフトは2023年3月16日に記者発表会を開き、米Microsoft(マイクロソフト)のAI(人工知能)に関する戦略を発表した。会見では、米OpenAI(オープンAI)が2023年3月14日に発表した最新の大規模言語モデル「GPT-4」について、具体的な時期への言及こそ避けたもののマイクロソフトのクラウドサービス「Azure OpenAI Service」に実装予定であると明らかにした。同社は検索サービス「Bing」において、GPT-4を検索向けにカスタマイズのうえ実装したことを公表済みで、Azure OpenAI Serviceへの実装はこれに続くものとなる。
関連記事 米OpenAIがマルチモーダルの「GPT-4」発表、画像の入力が可能にオープンAIは大規模言語モデル「ChatGPT」などの開発で知られる。米マイクロソフトはオープンAIと2019年7月に戦略的パートナーシップを結び、同社のプラットフォーム上でオープンAIのAIモデルを提供している。発表会に出席した日本マイクロソフトの津坂美樹社長は「今後も様々な製品にAIのパワーを組み込んでいく」とし、他社サービスとの差異化を図る方針だ。
マイクロソフトが掲げるAIに対するアプローチの1つが、プライバシーやセキュリティーを担保したり、AI倫理やAIガバナンスに対応したりするための「責任あるAI」だ。ユーザーがAzure OpenAI Serviceを介してオープンAIのAIモデルを利用すると、マイクロソフトの提供するAzureADでガバナンスを効かせたり、有害な利用方法を検知すると作業をブロックしたりする機能も利用できる。
このほか同社は様々な領域向けに提供するサービスに、オープンAIが開発したAIモデルを組み込んでいる。現時点ではコード作成支援ツール「GitHub Copilot」やデータ分析ツール「Power BI」、コミュニケーションツール「Teams」などにAIモデルを統合している。「マイクロソフトが提供するAIはまだまだ発展途上。ユーザーからのフィードバックを基に製品やサービスを構築している段階で、たくさんのフィードバックをもらえれば幸いだ」(津坂社長)と成長への意欲を見せた。