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 コマツとクオリカ(東京・新宿)、石川工業高等専門学校(石川高専)は、「デジタルトランスフォーメーション人材育成に関する包括連携協定」を締結した()。石川高専が取り組むデジタルトランスフォーメーション(DX)人材の育成を支援する。3者の知識・技術・資源を生かして、より実践的なデジタル技術を持つ人材を育てる。

図 「デジタルトランスフォーメーション人材育成に関する包括連携協定」の調印式の様子
図 「デジタルトランスフォーメーション人材育成に関する包括連携協定」の調印式の様子
左から、石川高専校長の嶋倉剛氏、コマツCTO(最高技術責任者)兼開発本部長の渕田誠一氏、クオリカ代表取締役社長の辻本誠氏。(写真:コマツ、クオリカ)
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* コマツとクオリカのニュースリリース: https://www.komatsu.jp/ja/newsroom/2023/20230317

 まず、石川高専の実習用工作機械に、IoT(Internet of Things)を利用して工場の生産性を改善するシステム「Kom-mics(コムミクス)」を導入した。Kom-micsは、工作機械の稼働データや加工データなどを収集・分析して、稼働状況の可視化や最適化に向けた施策の立案を支援するシステム。コマツが開発し、クオリカが販売している。

 Kom-micsで得た機械の稼働データを活用すれば、学生は、理論や機械の使い方を学ぶだけでなくデータドリブンな学習が可能になる。3者は、データに基づく実践的なデジタル化を学ぶためのカリキュラムを開発する。このカリキュラムをブラッシュアップし、将来は教育事例として全国の高専へ展開する計画だ。

 Kom-micsの運用やカリキュラムの開発に当たってコマツは、社内でのKom-micsの活用事例やノウハウを提供する。クオリカは、Kom-micsの活用方法を指導し、管理を支援する。3者は今後、石川県内の他企業とも連携する計画。企業での生産性向上や課題の把握などに取り組み、新たな価値を生み出せるDX人材の育成を推進していく。

 企業から工業高等専門学校に対しては「専門性を持ち、かつデジタル技術を活用できる人材」の輩出への期待が高まっているという。一方でコマツは、石川県を含む北陸地方で産業技術人材の育成と産業の活性化に資する活動を推進。クオリカはかねて、企業のDXを推進するには、同社によるソリューションの提供だけでなく、デジタル技術の活用にたけたエンジニアの育成が必要と考えていたという。このように、石川高専が抱える課題とコマツ・クオリカの取り組みの方向性が一致したことから、3者はDX人材の育成や産業活性化などを共同で展開することを決めた。