スウェーデンEricsson(エリクソン)は2023年3月16日(現地時間)、台湾MediaTek(メディアテック)と協力して行ったFDD(周波数分割複信)の1キャリアとTDD(時分割複信)の3キャリアを束ねるキャリアアグリゲーション(CA)にて、下り速度4.36Gビット/秒を実現したと発表した。
関連ニュースリリース: Ericsson and MediaTek expand 5G deployment options for CSPs with flexible Carrier Aggregation solution5Gデータ通信を使った音声通話実験を通して確認した。5G NRのFR1(Frequency Range 1)に含まれる低周波数帯1チャネルとサブ7(7GHz未満の周波数帯)の中周波数帯3チャネルが使われている。具体的には、AWS(Advanced Wireless Service)帯の帯域幅20MHzと米国の共有周波数帯であるCBRS(Citizens Broadband Radio Service、市民ブロードバンド無線サービス)帯の同80MHz、Cバンドの同200MHzを組み合わせることで、約4.4Gビット/秒のビーク時下り速度を達成した。実験機材には、MediaTekの5Gモデムチップ「M80」とEricssonの「Baseband 6648」、TDD Massive MIMO対応の「AIR3268」「AIR3239」と「Radio4426」を用いた。
今回のFDD帯とTDD帯のCAにより、高速化に加えてカバレッジも改善し、より快適なユーザー体験の実現が可能になる。両社はCAを高性能な5Gネットワーク提供に向けた鍵となる技術と位置づけ、今後も利用可能な周波数資産から最高の5G性能を引き出すための周波数帯域の組み合わせを継続調査していくとしている。