ドイツの大手自動車部品メーカーZFは2023年3月16日、2022年の決算を発表した。売上高は438億ユーロで前年比14%増、税引き後利益は3億7600万ユーロとなった。フリーキャッシュフロー(M&A調整後)は5億4400万ユーロとなった。2022年末の純負債は100億4000万ユーロ、自己資本比率は22.1%で前年より3.5ポイント上昇した。2022年秋に修正した見通しは達成したものの、同社CEOのHolger Klein博士は「数字に満足していない」とコメントした。
売上高は、アフターマーケットや電動ドライブ分野が伸長した。特にアフターマーケット事業部門の売上高は、デジタルソリューションとサービスにより32億ユーロとなり、前年比6%増となった。電動ドライブは、乗用車および商用車向けの受注残が300億ユーロを超えているという。パッシブセーフティシステム部門、従来のカーアクスル事業、自律走行シャトル事業などは潜在的なパートナーや外部投資家を探しているという。こうしたステップにより、将来の経済発展への道筋をつけ、収益性の向上を目指す。
同社は、今回の結果を「加速する時代の変化に対処していくには十分ではない」とし、今後さらにプロセスを加速し、意思決定を簡素化するなど、効率性を向上するという。そのため、シャシー技術部門とアクティブ・セーフティー・システム部門を統合し、シャシー、ステアリング、ブレーキテクノロジーを手掛ける新しい部門にすることを計画している。新部門は、車両のダイナミクスを制御するためのハードウエア、ソフトウエア、電子機器を提供する。新部門の売上高は140億ユーロ以上を見込んでいる。
2023年の売上高の見通しは、世界情勢の先行きが不透明であるものの、緩やかに伸長して450億ユーロを超えると予測している。車両生産台数は2019年から縮小傾向にあり、5年連続で縮小することを予想している。これにより調整後EBITマージンは4.7~5.2%、フリーキャッシュフローは10億~15億ユーロと見込んでいる。