パナソニックグループは2023年3月22日、同社のショールームである「パナソニックセンター東京」(東京・江東)の1階を改修し、地球温暖化問題の現状や二酸化炭素(CO2)排出量の削減策などを学べる施設「Panasonic GREEN IMPACT PARK」を同年3月25日に開設すると発表した(図1)。小学校高学年から中学校までの生徒を主なターゲットとしており、学校・教育団体の校外学習での利用を想定する。
新たな施設は4つのブースで構成(図2)。各ブースにはクイズやゲーム、簡単な実験装置などの仕掛けを設けた。「子どもたちが単に学ぶのではなく、体験しながら自分たちにできることを考え、アクションを起こすきっかけにつながるよう工夫した」〔パナソニックオペレーショナルエクセレンス(大阪府門真市)ブランド・コミュニケーション部門スペース&メディアコミュニケーションセンターパナソニックセンター東京所長の児玉比佐子氏〕
4つのブースのうち、3つはCO2の排出や排出量削減に関するブース。「CO2ってどんなときに出るの?」のブースでは、1kgのCO2の大きさや、生活の中で排出されるCO2の量などを体感できる。「今までどおりのくらしだとCO2って減らないの?」のブースでは、ゲームなどを通じてCO2をできるだけ出さないくらし方を学べる。「電気をつくるとCO2が出てしまうの?」のブースには、発電とCO2排出の関係を学べるゲームを設けた。火力・風力・水力・純水素型燃料電池・太陽光の5つの発電所から刻々と変化する天候に適した発電方法を選び、できるだけCO2を排出せずに街に電気を供給するゲームだ。
もう1つのブース「限りある資源を上手に使うためには?」は、リサイクルなど資源循環をテーマとした。資源の有効活用の仕方やパナソニックグループの分別回収技術などを紹介している。
これまでパナソニックセンター東京は、エアコンなど一般消費者向けの製品を展示するショールームとしての役割を果たしていた。「2022年4月に持ち株会社制に移行してからは、事業会社がおのおの製品を訴求する体制に変わった。このためパナソニックセンター東京は、コーポレートブランディングとしてパナソニックグループの環境問題への取り組みを発信する場となった」(児玉氏)という。同グループは2050年に約3億tのCO2排出量を削減する目標「Panasonic GREEN IMPACT」を掲げている。
一般来場者は2023年3月25日から予約なしで入場できる。学校・教育団体が見学するにはWebサイトでの予約が必要。「2023年度に300団体、2万人以上の来場者数を目指す」(児玉氏)。入場は無料。ただし、同建物の2、3階にある学習施設「AkeruE(アケルエ)」への入場は有料。