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 米NVIDIA(エヌビディア)は、最新アーキテクチャーAda LovelaceのGPU製品6つを、プライベートイベント「GTC 2023」(米国時間の2023年3月21~24日にオンライン開催)において発表した ニュースリリース 。このうち5つはノートPC向けGPU(Graphics Processing Unit) IC「Ada世代Laptop GPU」、残り1つはデスクトップPC向けGPUカード「RTX 4000 SFF(Small Form Factor) Ada世代GPU」である(図1)。

図1 新製品と搭載ノートPC、および狙うアプリケーションのイメージ
図1 新製品と搭載ノートPC、および狙うアプリケーションのイメージ
(画像:NVIDIA)
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 同社は2022年9月にオンライン開催した「GTC 2022」において、Ada Lovelaceアーキテクチャーと、同アーキテクチャーのGPU製品の第1弾として、主にゲーミングデスクトップPCに向けたGPUカード「GeForce RTX 40 シリーズ」などを発表した*1。2023年1月のテクノロジー見本市「CES 2023」では、ゲーミングノートPC向けのGPU IC「GeForce RTX 40 シリーズ ノートPC」を発表している*2。今回発表の6製品はいずれも、クリエーターやデザイナー、データサイエンティストといったプロフェッショナルが使うPCやワークステーションに向けたものである。新製品のGPUと、メタバースアプリケーションの構築・操作に向けたプラットフォーム(ソフトウエア)「NVIDIA Omniverse」を組み合わせることで、デザイナーはコンセプトを実現する前にシミュレーションを実行でき、プランナーは建設前に工場全体を視覚化でき、エンジニアは設計をリアルタイムで評価できるという。

 ノートPCに向けたAda世代Laptop GPUの5製品(RTX 5000/RTX 4000/RTX 3500/RTX 3000/RTX 2000)には、「Max-Q」(ノートPCの性能、電力、効率性を最適化する技術)と「RTX」(レイトレーシングやラスタライゼーション、AI(人工知能)、シミュレーションなど組み合わせたをコンピューターグラフィックス技術)の最新版が搭載されている(図2)。これによって、1世代前のGPUアーキテクチャー「Ampere」を採る従来製品に比べて、最大2倍の処理性能と電力効率を実現できるという。また、DLSS 3(第3世代DLSS:DLSSは深層学習を使った超解像機能)を備えたことで、フレームレートをAmpere世代の製品に比べて最大4倍に上げることが可能とする。Ada世代Laptop GPUを搭載したノートPCは、2023年3月中に市場に登場する見込み。

図2 ノートPC向けGPU ICの主な仕様
図2 ノートPC向けGPU ICの主な仕様
Ada世代Laptop GPUは、表のうち上から5つの製品(画像:NVIDIA)
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 デスクトップPC向けのRTX 4000 SFF Ada世代GPUは、Ada LovelaceアーキテクチャーのデスクトップPC向けの既存GPUカードと同じく、第3世代RT コアや第4世代Tensorコア、新たなCUDAコアと共に20GバイトのGDDR6型DRAMを備えながら、コンパクトな筐体(きょう体)に収めていることが特徴とする(図3)。高さ2.7インチ、長さ6.6インチの2スロットのカードである。最大消費電力は70W。RTX 4000 SFF Ada世代GPUは、推定価格1250米ドルで2024年4月に市販される予定である。

図3 RTX 4000 SFF Ada世代GPU
図3 RTX 4000 SFF Ada世代GPU
(画像:NVIDIA)
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