米AT&Tは2023年3月22日(現地時間)、2018年から2022年にかけての5年間に行った無線および有線ネットワークでのサービス提供実績について、自身のサイトで解説を行った。設備や周波数獲得に1400億米ドル超を投資し、一般消費者やビジネス、ミッションクリティカルな通信を必要とする緊急対応者向けにおいて、以下のような成果を上げたとしている。
関連ブログ: AT&T Expands 5G and Fiber Nationwide高い回復力を持つネットワークの実現: MTSO(Mobile Telephone Switching Office)に緊急用の通信経路を設置し、異常気象などによる影響を約35%削減した。また、停電発生時にもネットワークが維持できるよう、数百万米ドルを投資して最新の電源バックアップシステムを導入した。デジタルツインを活用したネットワークプロセスの簡素化、回復力測定のモデル化、ビルド最適化にも努めている。現在は、米国エネルギー省アルゴンヌ国立研究所と共同で、気候変動解析ツールによる将来の気象モデル化も進めている。ここから得られた情報を基に、回復力の高いネットワーク構築に向けて、データ駆動型の意思決定を行っていく。
高い接続性の実現:2022年の1年で約10万平方マイルのカバレッジ拡張を行い、全米291万平方マイル超のカバレッジを実現した。現在、5Gネットワークでは、全米約2万4000の都市や町、2億9000万人にサービスを提供している。2022年末には、1億5000万のユーザーに、中周波数帯を使用した5Gサービス提供も開始した。会場や空港などで使われているAT&T 5G+サービスの利用数も2022年に倍増し、全米50超の都市、70カ所超の施設に高速通信サービスを提供している。
公共安全への支援:米国の公共安全に関するパートナー通信事業者として、FirstNet(The First Responder Network Authority)にて、全米人口の99%超をカバーしている。Band14(700MHz帯)を使って、都市部から地方まで緊急時通信接続を提供している。
今後の計画:有線通信においても地球から月までを3往復できる長さのケーブルを敷設している。2022年には、米国内だけで6万マイル超の有線ケーブルを伸長した。これらを使って、1日平均594ペタ(P)バイトのデータ伝送を行っており、その通信量は年23%で成長している。AT&Tの有線通信は、100を超える都市にて、400万のビジネス拠点を含む2400万拠点にサービスを提供している。2025年末までには、3000万拠点超への対応を予定している。遠隔地や過疎地との通信に向けて、米AST SpaceMobileなどと連携した通信衛星でのブロードバンドサービス試験も行っている。標準的な携帯電話で直接、衛星を使った音声やテキスト・動画通信が可能なサービスとなる。