欧州で新型車の環境性能を評価する消費者団体「Green NCAP」は2023年3月23日、2022年に試験した新車34モデルの温室効果ガス排出量(GHG)と、走行に必要な1次エネルギー量(PED)を発表した。ライフサイクルアセスメント(LCA)の手法を使い、電気自動車(EV)やハイブリッド車、ガソリンエンジン車、ディーゼルエンジン車、代替燃料車といった様々なパワートレーンの新型車の環境性能を比較した。
計算には、EU加盟27カ国と英国の平均的なエネルギーミックス値と、16年間の平均走行距離24万kmを使って行われた。EVはエンジン車と比べてGHGが40~50%少なかった。また、エンジン車は、GHGと車重がほぼ比例している。PEDについては、車重との比例関係がより明確になる一方、EVとエンジン車の差は小さくなっている。欧州で人気のSUVは、車重が重く燃料消費量が多くなるため、GHGが増加する。
注目すべきはバイオエタノール(E85)を使用した米Ford Motor「Puma」で、GHGがEVに近いレベルまで低減されている。バイオ燃料の製造でエネルギー消費が57%増加するが、全エネルギー使用量の60%が再生可能エネルギーであるため、化石燃料の使用量が大幅に削減される。