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 韓国LG Energy Solution(LGエナジーソリューション)は2023年3月24日、約55億ドル(約7200億円、1ドル=130円換算)を投資して米国アリゾナ州クイーンクリークに電池生産工場を建設すると発表した。新工場では、電気自動車(EV)向けの円筒形電池セルと、定置用蓄電システム(ESS)向けのパウチ型電池セルを製造する。円筒形電池セル工場は2025年から、パウチ型電池セル工場は2026年から生産を始める予定。

(出所:LG Energy Solution)
(出所:LG Energy Solution)
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 今回の投資は、北米の電池工場に対する単独の投資としては過去最大規模になるという。円筒形電池セル工場には32億ドルを投資し、「2170」セルの量産設備を導入する。年間生産容量は27GWhとなる。主に北米のEVメーカー向けに供給する。北米では、インフレ抑制法(IRA)のEV税額控除を満たすため、EVメーカーが現地調達できる高品質・高性能電池の需要が高まっている。

 23億ドルを投資するパウチ型電池セルの生産工場は、世界初のESS専用電池セル製造工場になるという。リン酸鉄リチウム(LFP)のパウチ型電池セルで、年間生産容量は16GWh。北米は世界最大のESS市場であり、政府もESSの導入を支援する強力な政策を進めている。新工場は、IRAにより急増している現地生産電池のニーズに応え、北米でのクリーンエネルギーへの移行促進を目指す。

 新工場では、最先端のスマート・ファクトリー・システムを採用する。品質向上に重点をおいた取り組みにより、歩留まりの向上、生産工程の改善、生産性の向上を図り、増え続ける電池需要に対応していくという。