電通デジタルは2023年3月28日、リモートワーク中の従業員の表情をAI(人工知能)で分析するシステム「INNER FACE(インナーフェイス)」を開発したと発表した。パソコンに搭載するカメラやWebカメラで取得する表情を、Webブラウザーを介して取得・分析して、感情推移を客観的に把握できるという。
表情データは米Microsoft(マイクロソフト)の「face.api」を用いて1秒に1度計測。心理学者ポール・エクマンが提唱する「エクマン理論」に基づき、「怒り」「嫌悪」「恐れ」「喜び」「悲しみ」「驚き」の6感情を取得する。またメンタルヘルスのテストとして、主観気分の自己評価を入力するアンケートが定期的に表示される。これにリモートワーク中の従業員が回答することで、表情と主観気分の関係性を分析し、抑うつの相関関係を今後明らかにしていくという。
感情推移は時間帯や曜日で比較できるため、計測を繰り返すことで自身の感情の変化の傾向を高い精度で把握できる。またINNER FACEでは映像データを取得・保存せずに数値化された表情データを利用する。映像データの漏洩リスクを回避し、プライバシーにも配慮できるという。