ドイツMercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)は2023年3月27日、戦略的パートナーのカナダ・ドイツRock Tech Lithium(ロックテックリチウム)がドイツ・ブランデンブルク州のグーベンで、新たなリチウム精製工場の起工式を実施したと発表した。2022年10月にも発表された通り、ロックテックは2026年から新工場で水酸化リチウムを精製し、メルセデス・ベンツに供給する。この水酸化リチウムで、電気自動車(EV)15万台分の電池を生産できるという。
メルセデス・ベンツは、持続可能性、原材料の安全性、調達の現地化などを実現できるサプライチェーンの構築を進めており、今回起工したグーベン工場はそのために重要な役割を果たすとしている。同社は、ドイツのウンターテュルクハイム工場とカーメンツ工場、ポーランドのヤボル工場で電池を生産しており、ドイツのジンデルフィンゲン工場やケレダ工場でも生産することを発表している。また、ウンターテュルクハイム拠点には次世代電池や電池セルの研究開発施設である「eCampus」を建設している。
電池セルを製造するのは、欧州Stellantis(ステランティス)やフランスTotal Energiesとともに資本参加しているフランスAutomotive Cells Company(ACC)で、同社の欧州工場3拠点から供給される。
また、メルセデス・ベンツは電池材料の持続可能なクローズドループの実現を目指し、リサイクルによる資源消費削減の取り組みを進めている。最近では、ドイツのクッペンハイムで電池リサイクル工場の建設を始めた。