村田製作所は国内の製造業に従事する人を対象に、スマートファクトリー化に関する調査を実施した。自社がスマートファクトリー化を「実施している」と答えた人は22.9%にとどまったものの、スマートファクトリー化に携わる人の86.0%が「成果を感じている」と回答した。
* 村田製作所のニュースリリース:調査は、国内の製造業従事者1万1084人から自社のスマートファクトリー化に携わる500人を抽出し、2023年1月25~27日の3日間にインターネットで回答を得た。
まず、製造業従事者1万1084人に対して、ITやOTの活用によって業務プロセスの改革や生産性・品質の向上を推進する「スマートファクトリー化」を実施しているかを聞いたところ、22.9%が「実施している」、15.2%が「実施を検討している」と回答した(図1)。現時点では、約6割の企業がスマートファクトリー化の実施に取り組んでいないことが分かった。
続いて、自社のスマートファクトリー化に携わる500人に取り組みのきっかけを聞いた。設備稼働率の改善や生産プロセスの短縮、生産計画の精度向上といった「生産性の向上」が58.8%と最も多く、「コスト削減」が54.0%で続いた(図2)。
取り組みの具体的な内容は「デジタル技術(IT・OT)の活用により業務の標準化やノウハウの見える化の精度を向上させ、技術継承に役立てている」が47.6%、「製造プロセスで収集したデータを品質向上に活用している」が47.4%、「デジタル技術(IT・OT)を活用して設備稼働率改善や生産プロセス短縮を行っている」が46.0%(図3)。この結果から村田製作所は、「複数の取り組みを組み合わせてスマートファクトリー化を進めている企業が多い」と分析している。
取り組みの成果については、37.8%が「感じている」、48.2%が「やや感じている」と答えた(図4)。スマートファクトリー化を前進させられた要因としては、成果を「感じている」「やや感じている」と回答したうちの67.7%が「トップの理解」、53.0%が「専門部隊の設置」を挙げた(図5)。