みずほフィナンシャルグループとLINEは2023年3月30日、新銀行の開業に向けたプロジェクトを中止することを決めたと発表した。今後は取引先や関係各社との調整を踏まえ、新銀行の設立準備会社の解散・清算手続きなどを進める予定だ。
関連記事: みずほ・LINEの新銀行が開業断念の見通し、システム開発で二転三転両社は開業断念を決めた理由について「安全・安心で利便性の高いサービス提供には、更なる時間と追加投資が必要であり、顧客の期待に沿うサービスのスムーズな提供が、現時点では見通せないとの見解に至った」と説明する。
両社は2018年11月に銀行業参入を表明し、2020年度中の開業を目指していた。しかし、勘定系システムの開発などに手間取り、開業時期を2022年度中に延期していた。プロジェクトを立て直すため、2021年2月には、LINE Financialとみずほ銀行が新銀行の準備会社に対して計120億円を追加出資するなどしていた。
LINEと経営統合したZホールディングスにとっては、LINE新銀行が開業すれば、グループ内にPayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)と新銀行の2つを抱えることになる。この点も、今回の開業断念という判断に影響を与えたとみられる。