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 米Ford Motor(フォード)は、インドネシアのニッケル採掘企業PT Vale Indonesia(PTヴァーレインドネシア)および中国のリチウム電池材料メーカー、浙江華友鈷業と協力し、インドネシアでのニッケル生産事業に投資すると発表した。2023年3月30日、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領が出席した式典で、3社はインドネシア南西部スラウェシ島のポマラ鉱山プロジェクトに資本参加することを表明した。

 ポマラ鉱山に建設される新しい工場は、高圧硫酸浸出(HPAL)方式を用いて年間12万トンのニッケルを含有するニッケル・コバルト混合水酸化物(MHP)を生産する。2023年中に建設を始め、2026年に量産を開始する予定。このプロジェクトにより、フォードは電気自動車(EV)用電池材料のニッケルを低コストで直接調達でき、同社のEV生産目標達成に大きく寄与するとしている。

 PTヴァーレが建設中のポマラ鉱山は、最大67兆5000億ルピア(約6011億円、1000ルピア=8.91円換算)が投入される国家戦略プロジェクトで、1万2000人の雇用を創出することが期待されている。なお、インドネシアでのニッケル鉱山開発には、日本の住友金属鉱山も取り組んでいたが、2022年4月に検討中止を発表している。