ENEOSホールディングス(以下、ENEOS)は、透明な太陽光発電窓パネル「UE Power」の発電性能を評価する実証実験を高輪ゲートウェイ駅(東京・港)構内で実施する(図1)。UE Powerは、ENEOSが出資している米Ubiquitous Energy(ユビキタスエナジー)が、日本板硝子と共同開発したもの。実証実験の期間は2023年5月8日~7月14日。JR東日本が実験フィールドの提供で、YKK AP(東京・千代田)が窓パネルのサッシ・フレームの設計・製作で協力する。

図1 太陽光発電窓パネル「UE Power」のサンプル
図1 太陽光発電窓パネル「UE Power」のサンプル
(出所:ENEOSホールディングス)
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 同窓パネルは、可視光を透過するため一般的な窓ガラスと同程度の透明度を持ちながら、紫外線と赤外線をエネルギー源にして発電する(図2)。遮熱性と断熱性にも優れ、空調エネルギーの削減など建物の省エネルギー効果が期待できるという。

図2 UE Powerの発電イメージ
図2 UE Powerの発電イメージ
可視光線は透過し、紫外線と赤外線を吸収して発電する。(出所:ENEOSホールディングス)
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 ENEOSと日本板硝子は、2021年9月から同窓パネルの屋外使用の実証実験を約1年間にわたって実施し、期待した発電量や遮熱・断熱効果が得られることなどを確認している。今回は、屋内使用時において既設の窓で減衰した日光に対する発電性能を検証すると同時に、同窓パネルの認知度向上も狙っている。

 本実証実験で同窓パネルの有効性を確認できた暁には、ビルなどへの展開を見据え、発電システムの構築などの実証を進めるとしている。