PR

 マイナンバーカードを使ったコンビニ証明書交付サービスで、別人の住民票などが発行されるトラブルが立て続けに発生した問題を受け、個人情報保護委員会は2023年5月11日、富士通Japanと横浜市、東京都足立区、川崎市に対して、個人情報保護法とマイナンバー法(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)に基づく報告徴収(報告を求めること)と資料提供の求めを同日行ったと明らかにした。

 コンビニ証明書交付サービスを利用した際に別人の住民票の写しなどが発行されるトラブルは2023年3~5月にかけ3自治体で発生しており、いずれも原因は富士通Japanが手掛けるシステムの不具合だった。誤発行された住民票の写しの中にはマイナンバーが記載されたものも含まれていた。

 同委員会ではこれまでも3自治体と富士通Japanに対してヒアリングなどの調査を実施してきた。そのうえでさらに報告徴収と資料提供の求めへと踏み込んだのは、富士通Japanのシステムを利用している自治体は他にも多くあり、「多数の国民の個人情報および特定個人情報に関わる重大事案であり、詳細な実態把握が不可欠」(同委員会)と判断したためだ。

 資料提出までの期間は1カ月ほどとみられる。同委員会は今後、受け取った資料などを基に詳しい事実関係を把握して問題点を確認し、個人情報保護法などに基づく指導などを行うかどうかを検討する。

関連記事 富士通Japan「真摯に対応」、デジ庁によるコンビニ交付サービス停止・総点検要請受け デジ庁が富士通Japanにシステム停止・総点検要請、コンビニ交付サービス誤発行で 川崎市のコンビニ交付で他人の戸籍書類出力、市独自の富士通Japan製システムに原因 足立区でも住民票を誤発行、富士通Japanのコンビニ交付サービスで「別不具合」発覚 横浜市に続き足立区でも別人の住民票を誤発行、富士通Japanのコンビニ交付サービスで 他人の住民票が誤発行される謎バグの真相、富士通Japanの「稚拙」設計に専門家も驚く