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 ジェイテクトは2023年4月、商用車用の「C-EPSタイプ操舵(そうだ)アクチュエータ」を開発したと発表した。同社の電動パワーステアリング(EPS)技術を応用し、先進運転支援システム(ADAS)の低コスト化に寄与するという。いすゞ自動車が同年3月に発売した小型トラック「エルフ」の新型に搭載しており、すでに量産を始めている。

「C-EPSタイプ操舵アクチュエータ」
「C-EPSタイプ操舵アクチュエータ」
商用車のADASを低コスト化できるという。(写真:ジェイテクト)
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 乗用車の多くはEPSを採用するが、主にバスやトラックといった商用車は油圧式パワーステアリング(HPS)を搭載する。今回開発した操舵アクチュエーターを既存のHPSと組み合わせることにより、低コストでADASに対応できるのが特徴だ。

 操舵アクチュエーターはステアリングホイール付近に搭載する。床面との干渉が発生しにくく、床面改造の必要がないため小規模な改造で搭載可能だ。よって、低床の商用車など採用できる車種の幅が広がった。加えて、既存の量販EPS技術を使っていることから、コストも抑えられるという。

搭載位置
搭載位置
ステアリングホイール付近に搭載することで低床車両でも採用できる。(出所:ジェイテクト)
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 操舵感の改善にも効果がある。トルクセンサーや回転角度センサーを操舵アクチュエーターに内蔵した。各種センサーから得られる、操舵トルク及び舵角情報を用いることで、同社が開発した各種操舵力のアシスト制御やハンドル戻しの制御ができるようになった。これが操舵感の改善につながっているという。

 同社の広報担当者は、「今後エルフ以外の車種への展開も検討している」と話した。