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 新潟市は2023年5月15日、マイナンバーカードを使ったコンビニ証明書交付サービスで、廃印処理済みの印鑑登録証明書が誤発行される不具合があったと発表した。システムの開発ベンダーはまたしても富士通Japanだ。

 新潟市は5月12日の昼ごろに住民から「抹消したはずの印鑑登録証明書がコンビニから印刷できた」との報告を受け、トラブルが発覚。同日午後1時に、コンビニ証明書交付サービスを一時停止した。富士通Japanが調査したところ、トラブルは印鑑登録証明書の発行に限定されると判明したため、同日午後7時に住民票の写しなど他のコンビニ交付サービスを再開した。

 新潟市によると、同トラブルは市内の区をまたいで引っ越し、再び同じ区に戻ってきた際に発生する。具体的にはA区で印鑑登録した人がB区に引っ越し、B区で印鑑登録を廃印処理した後、再びA区に引っ越した際にコンビニ交付を受けようとすると発生するものだという。富士通Japanの調査では、2023年に他にも新潟市内で2件の誤発行が確認された。ただし、他の自治体で発生しているような別人の証明書が発行される事象ではないという。

 トラブルの原因は、富士通製システムの不具合だった。新潟市は富士通製コンビニ交付サービス「Fujitsu MICJETコンビニ交付」と、住民記録システム「Fujitsu MICJET 住民記録システム(政令市版)」を採用する。廃印処理された印鑑登録証明書のデータは本来、コンビニ交付のサーバー上で印刷ができないように住民記録システム側から制御する仕様になっているが、連携プログラムに不具合があったという。

 新潟市と富士通Japanは暫定対応として、不具合が発生する条件に該当する住民を抽出して個別に修正対応を行い、5月16日に印鑑登録証明書のコンビニ交付を再開する予定だ。恒久的な不具合の改修作業は、5月18日までを予定している。

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