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 富士フイルムホールディングス(HD)の子会社である富士フイルムは、米国の半導体材料メーカーEntegris(インテグリス)のグループ企業で、半導体用プロセスケミカル事業を手がける米CMC Materials KMG(以下、KMG)を7億米ドル(約950億円)で買収する。2023年5月10日に発表した。半導体向け製品のラインアップ拡充やサプライチェーン(供給網)の強化を図る(図1)。

図1 買収の目的について
図1 買収の目的について
(出所:富士フイルムホールディングス)
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 KMGは、先端半導体の製造に対応した幅広いラインアップの半導体用プロセスケミカル製品を供給している(図2)。生産拠点は、米国や、フランス、イタリア、シンガポールなど全7拠点ある。

図2 KMGの強み
図2 KMGの強み
(出所:富士フイルムホールディングス)
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 半導体用プロセスケミカルとは、半導体製造の洗浄・乾燥工程で異物を除去したり、エッチング工程で金属や油脂を取り除いたりするために使用する化学薬品である。半導体の微細化や多層化が進むにつれ、使用頻度が増えており、その市場は年率11%ほどで成長しているという(図3)。

図3 半導体用プロセスケミカルについて
図3 半導体用プロセスケミカルについて
(出所:富士フイルムホールディングス)
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 今回の買収によって、富士フイルムHDは半導体製造プロセス材料を扱う電子材料事業の売り上げ目標を変えた。2026年度と2030年度に設定していた目標を2年前倒しする。2030年度に売上高5000億円を目指す(図4)。

図4 売り上げ目標について
図4 売り上げ目標について
(出所:富士フイルムホールディングス)
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