総務省は2023年5月25日、マイナンバーカードの取得などで国が最大2万円分のポイントを付与する「マイナポイント」事業において、他人のマイナンバーカードに誤ってひも付けて付与されるケースを90の自治体で113件確認したと公表した。手続きを支援する自治体窓口にある共用端末で、前の人がログアウトし忘れた状態で後続の人が手続きをしたためという。
総務省には自治体から報告や相談が2022年8月から断続的に来ていた。公表は自治体に任せていたというが、公金受取口座やマイナ保険証の登録ミスの公表が相次いでいることを踏まえ、状況を集計して5月25日に公表に踏み切った。マイナンバーカードを巡っては、公金受取口座をマイナンバーにひも付ける手続きでも自治体窓口で同様のミスが起こり、デジタル庁が5月25日時点で14自治体20件を確認している。
関連記事: 他人のマイナンバーに口座をひも付けるミス、自治体窓口端末でログアウトし忘れ総務省は自治体とともに誤った付与が他にないか点検を実施する。ただしシステムデータの機械的な点検では誤りの検出が困難で、総務省は市民が自らポイント付与状況を確認して自治体に相談するなど自発的な確認が必要だとみている。マイナポイントのシステムは、1人のアカウントにひも付けできる決済手段を施策ごとに1つに限定し、同一人物が持つ同じ決済手段を他人のアカウントに2重登録できないよう防止する仕組みも導入したためだ。つまりデータ上では決済手段の2重登録が存在しない。
それでも自治体窓口で誤ったひも付けが生じたのは、共用端末で手続きをした前の人が手続きを途中でやめるなど、決済手段を登録せずに離脱した場合に該当すると考えられるという。なお総務省は誤付与の多発を受けて2023年4月に自治体で使われるマイナポイント用Webサイトを改修した。ログイン時のほか決済手段を登録する際にもマイナンバーカードをかざす仕様に変更しており、以降はポイント誤付与の報告はないという。