業務内容に合わせてカスタマイズ可能なDAIVを選定
ガンホーでは、ゲーム開発用に約270台、一般業務用に約310台、合計約600台のPCを利用している。ゲーム開発用PCはクリエーター一人ひとりに用意されるが、クリエーターの担当プロジェクトによってPCに必要なスペックも変わってくる。例えば、CG担当のデザイナーが別プロジェクトの担当になり、動画編集の業務も併せて行うことになった場合、動画編集用にキャプチャーボードを追加する必要が出る。つまり、PCのカスタマイズが必要になるのである※。
ゲーム制作用のPCは早い機種で2年、平均して3年ほどでリプレースが必要になる。性能面への要求が高く、できるだけ最新のCPUやグラフィックボードが使えることが望ましい。SSDも大容量のものが必要になる。一方で、会社内でのPC環境のサポートの手間などを考えるとPCの機種はなるべく変更せずに長く使いたい。機種が増えてしまうと作業マニュアルも増やさなければならず、故障したときの部品の取り寄せなども分かりにくくなるからだ。
しかし、以前使用していたゲーム開発用PCはコンシューマー向けでモデルチェンジのサイクルが速く、メーカーサポート期間も短かった。最新のCPUやグラフィックス、大容量SSDへの対応も十分ではなかった。「従来使っていたメーカーのPCがモデルチェンジした際、最新のCPUを搭載したモデルが欲しかったのですが、メーカーからは検証が終わっていないため搭載できないと言われました。新しいモデルはグラフィックボードやSSDの容量も不足していたので、高スペックのものの搭載を要望したのですが、それも無理だと断られました」(塩澤氏)。
そのため、別のメーカーのPCに切り替えて1年ほど使用したが、メーカーを変えてみても状況は似たり寄ったりで、また元のメーカーに戻る形となった。こうしたことを繰り返していたため、PC環境を管理する情報システム部の業務の大きな負担になっていた。
こうした中、ガンホーがクリエーターの求める要件に対応できるPCとして選んだのが、マウスコンピューターのクリエーター向けPC「DAIV」シリーズ(以下、DAIV)だ。「他のメーカーのPCは、筐体(きょうたい)の内部が複雑化しており、カスタマイズの余地がほとんどありません。ですが、DAIVは筐体の内部がとても余裕があるので、カスタマイズの余地があります。この拡張性の高さは、担当するプロジェクトに応じて各クリエーターのPCのスペックを調整する当社にマッチしていました」と塩澤氏は語る。最初は必要最小限のスペックを満たしたモデルを購入し、グラフィックボードやキャプチャーボードを後から追加するなど、クリエーターの業務に合わせて自由にカスタマイズして使うことができるところが非常に便利だという。また導入を開始した2017年ごろは、NVIDIAのGPUであるQuadroとGeForceの両方に対応するPCは珍しかった。「DAIVは、この両方に対応していました。業務の必要に応じてGPUを選ぶことができ、とても助かりました」(塩澤氏)。