マウスコンピューターの法人向けPCブランド「MousePro」が、設立10周年を迎えた。法人ならではのニーズに対応し続けることで、顧客を大きく拡大してきた。設立からの歩みを振り返る。

高い信頼性と安定供給を柱に「MousePro」を設立

 マウスコンピューターが法人向けブランドとして展開する「MousePro」が、2021年2月に立ち上げから10周年を迎えた。「国内生産による高い品質と信頼性」「顧客企業のニーズや予算、用途に応じて柔軟に対応できるBTO(Build To Order=受注生産)製品」という強みを、法人向けに特化して提供するブランドだ。

 マウスコンピューターの個人向け製品は、市場ニーズへの素早い対応が特長だ。そのためモデルチェンジのサイクルが早い。また個人の購入は、見積もりから注文までのタイムラグが短い。それに対して法人の場合は、購入に際して社内稟議(りんぎ)を通すため、見積もり作成から納入まで1カ月ぐらいはかかるのが一般的だ。また長期間安定して購入可能なモデルを取り扱うことも期待される。

 マウスコンピューターではこうした違いを認識し、法人ならではのニーズに応えるべく、製品の開発に取りかかった。「まず、取り組んだのは品質や信頼性のレベルを上げることです。中でも、壊れにくい製品を提供することを最も意識しました。当時、個人向けのデスクトップPCは、フタ付きのものなど構造が複雑なモデルが多かったのです。そこで筐体(きょうたい)デザインを見直してシンプルにし、その代わり多少乱暴に使っても壊れにくい丈夫な設計にしました」とマウスコンピューター社長の小松永門(ひさと)氏は語る。

マウスコンピューター 社長 小松永門氏
マウスコンピューター 社長 小松永門氏
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 さらに、個人向けに販売していたPCで採用実績のある部品を搭載するとともに、専用の生産ラインや品質管理ラインを設けて品質の向上を図った。実はマウスコンピューターではMousePro以前にも、「GSX」という法人向けブランドを展開していた。しかし個人向けPCとは全く別のラインアップで生産・販売していたため、個人向けPCで採用実績があり信頼性が高い部品であっても、GSXには採用されていなかった。

 「MousePro設立にあたって、それまでのやり方を抜本的に見直しました。法人ビジネスで求められるものは何か、ニーズに対してどのように応えていくか、2年間ほど徹底的に議論しました。その中で、製品の品質・信頼性の担保と、製品の継続性・安定供給、さらにマウスコンピューターの強みである豊富なBTOと法人のお客さまへのサポートやサービス展開がポイントだという結論に至ったのです」(小松氏)