データ連携の価値を引き出すにはネットワークの高度化が不可欠

実世界の事象がデータとして記録され、サイバー空間で処理されたのち、実世界にフィードバックされる──。Society 5.0の社会では、このようなデータ連携によって様々な価値が生み出される。そこで重要なインフラとなるのが、ネットワークだ。SDN(Software-Defined Networking)のソリューション提供を通じて様々な企業の課題を解決してきたNECは、Society 5.0に最適なネットワークを実現するべく、SDN事業の拡大と強化を進めている。同社 デジタルネットワーク事業部 事業部長 尹 秀薫(ゆん すふん)氏に話を聞いた。

昨今、多くの企業がSDGs(持続可能な開発目標)を経営テーマの1つに掲げるなど、持続可能な社会の実現とビジネスを結びつけて考えています。社会課題への取り組みが、企業の存亡に大きなカギを握るようになっているといえるでしょう。NECはかねてより社会価値創造企業を標榜していますが、現在の社会をどのように捉えていますか。

 持続可能な社会の実現と企業の発展が切っても切り離せなくなってきている今、近未来の社会がどのようになるのかを、まずしっかりと理解しなければなりません。そこで、分かりやすいのが日本政府の定義した「Society 5.0」という社会の姿です。

 狩猟社会をSociety 1.0として、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続くSociety 5.0は、「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)」と定義されています。

 この社会の要となるのがデータです。実世界で起きた様々な事象がIoTデバイスなどによってデータとして記録され、そのデータを収集したサイバー空間でAIなどによる解析処理がされたのち、実世界にフィードバックされる、このサイクルが様々な価値を生み出すのです。

 したがってデータとその連携は、これからの社会の重要な資源となります。そこで、忘れてはならないのがネットワークです。これまでもネットワークは情報社会の重要なインフラでしたが、Society 5.0では、より多くのデバイスから多様なデータを収集し活用していくために、これまで以上に高度な役割を求められるようになるでしょう。

ネットワークは、NECの得意領域の1つです。昨年は、NEC Smart Connectivityという、ネットワークの新しいブランドを打ち出しましたね。

 NEC Smart Connectivityは、ネットワーク自体が「知性」を持ち、相手や状況を判断し、あらゆるデータを賢くつなぐ、革新的なデータ流通を実現します。

 NECの持つ技術やソリューション、ノウハウなどを結集、体系化して、多様な業種のお客様ビジネスのデジタル化を実現するため、コンサルティング、データ活用、ネットワークの構築や運用などをサポートします。

NECは、近年のネットワーク市場においてSDNの牽引役でした。NEC Smart Connectivityでは、SDNをどのように位置付けているのですか。

 NECは、SDN対応機器の開発から、ソリューションの体系化、適用領域拡大、アプリケーション連携など、SDN市場の拡大と定着に向けて取り組んできました。SDNはNEC Smart Connectivityの中核を担う技術の1つとして位置付けており、今後も事業を強化していきます。

NEC デジタルネットワーク事業部 事業部長 尹 秀薫 氏
NEC デジタルネットワーク事業部 事業部長 尹 秀薫 氏