RPA(ロボティック・プロセス・オートメ―ション)が登場したことで、一気に広がった「自動化」の世界。一方、まだ大部分が手付かずで残っている領域もある。その一例が、バックオフィス業務で大量に発生する文書の処理だ。この領域に踏み込む新しいAIソリューションとは。

 RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)が登場したことで、「自動化」が一気に広がった。定型業務の多くを自動化し、大きな成果を上げる事例が増えている。加えて最近は、AI(人工知能)を活用することで、画像処理や音声認識と組み合わせた業務効率化を推進するケースも登場。人手不足に悩む日本企業にとって、自動化はまさに一筋の光明といえるだろう。

 一方、まだ大部分が手付かずで残っている領域もある。その一例が、バックオフィス業務で大量に発生する文書の処理だ。自然言語で書かれた文書の解釈を自動化するといった取り組みは、これまで意外に進められてこなかった。

 「自然言語で書かれた文書をもっと有効に活用したいというニーズは、以前に比べて増えています。例えばコールセンターには、テキストベースの膨大な情報が蓄積されていますが、現在は顧客とのやり取りのエビデンスとして使われる程度にとどまっています。AIでこれらの文書を解析し、意味のある情報を抽出するといった処理が可能になれば、そこから新たな知見を得られます」。そう語るのは、NTTデータ先端技術の中林篤史氏である。

NTTデータ先端技術株式会社 ソフトウェアソリューション事業本部 AIソリューション事業部 AIサービス開発担当 担当課長 中林 篤史氏
NTTデータ先端技術株式会社 ソフトウェアソリューション事業本部 AIソリューション事業部 AIサービス開発担当 担当課長 中林 篤史氏

 コロナ禍によって、文書の有効活用へのニーズは一層高まっている。例えば、自治体では補助金などの審査業務が増加しているが、そのための十分な人員を確保することは難しい。文書の解釈の自動化で、効率化が図れる可能性がある。一般企業でも同様だ。テレワークが普及したことで、人と人が対面で会う機会が減少し、多くのコミュニケーションに文字が使われている。その内容を解析すれば、まったく別の用途に役立てることができるかもしれない。

 「従来のAIは統計的学習に基づいていたため、人間のように文書を理解するといったことは必ずしも得意としていませんでした。しかし最近は、その課題を解決したAIが登場しています。文脈や意図を理解し、そこから有用な情報を抽出できるようになりつつあるのです」と中林氏は言う。