東京都立三鷹中等教育学校が開設した「メディアラボ」にマウスコンピューターのクリエーター向けPC「DAIV」を導入し、1年が経過した。どのような教育効果を得たのか、取り組みについてレポートする。
東京都立三鷹中等教育学校は2021年3月、第1CALL教室内にハイスペックなPC環境を備えた「メディアラボ」を設置し、実証研究を開始した。
メディアラボは「環境が整っていれば、生徒は自らクリエーティブに学ぶ」というコンセプトの下に高度なICT環境を整えた教室である。同校とインテル、アドビを中心に設置した。
三鷹中等教育学校でメディアラボを推進してきた主幹教諭で情報科の能城茂雄氏は、設置の経緯について「生徒がクリエーティブな活動を行うためには、GIGAスクール構想で示されている『標準仕様』の端末では不十分。よりハイスペックな端末の整備が必要だと考えました」と話す。
メディアラボには、既設のPC40台に追加して、8台の高性能PCを設置した。その8台に選ばれたのがマウスコンピューターの「DAIV」である。CPUに当時最新の第10世代Core i7を採用し、メモリーは32Gバイト、グラフィックスボードとしてNVIDIA GeForce RTX2060 SUPERを搭載するクリエーター向けの端末だ。
そのほか、メディアラボには31.5インチの4K対応iiyama液晶ディスプレーが設置され、ソフトウエアとしてアドビの「Creative Cloud」のライセンスが配布されている。さらに、50Tバイトのネットワークハードディスク(NAS)も導入し、DAIV8台と10Gビットイーサネットで接続している。
能城氏は「メディアラボには、まさにプロのクリエーターも満足できる万全の環境が整っています。DAIVを使えば、4Kで撮影した動画データもスムーズに編集できます」と説明する。
メディアラボは、朝8時から生徒が下校する時間まで開放されている。生徒は通常授業用の端末を普段から持ち歩いているが、それに加えてメディアラボの高性能端末を活用できるわけだ。
「通常の学習における、負荷の低い作業では1人1台の端末を使い、動画の編集やプログラミングなど、負荷の高い作業にはメディアラボのDAIVを活用します。シーンに合わせて使い分けができます」(能城氏)