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 流行から「定番」へと定着したエコロジーブーム。その潮流が、長らく安定していた浄水器市場に地殻変動を起こしている。

ナヴェリア(右)マレーラCool(左)
ブリタが昨年、日本専用に発売した「ナヴェリア(右)」。ブルーの「マレーラCool(左)」は男性にも人気が高い(写真:スタジオキャスパー)

 浄水器は、水道水から有害なバクテリアやカビ臭、臭いのもととなるカルキなどを除去するフィルターを内蔵した装置。一般的なのは、キッチンの水道管に直結させるタイプだ。

 ところが最近になって、その定番を押しのける勢いで売り上げを伸ばしているのが、ポットやタンブラーの形状をした商品である。

最大手は売り上げ2割増

 右上の写真をご覧いただきたい。ポット型浄水器は、見た目は一般的なそれと変わりはない。違うのは、内部にフィルターを収納している点だ。水を注ぐと、フィルターに一度滞留し、浄化された水が下に滴り落ちる構造になっている。

 ポット型浄水器でトップシェアを誇るのが、ドイツのブリタ。「ここ数年、前年比20%増の売り上げが続いている」と、ブリタジャパン営業部の土屋麻美トレードプロモーションマネージャーは言う。昨年9月には、日本の家庭の冷蔵庫サイズに合わせた新商品「ナヴェリア」(4200円)を発売した。

 市場拡大を見込んだ国内企業も相次いで商品を投入している。三菱レイヨン、東レ、パナソニックなどが次々とポット型商品を発売した。

 このポット型浄水器、今になってなぜ注目を浴びているのか。

 理由の1つは、その経済性にある。ブリタの場合、フィルター1個で約200リットルの濾過が可能という。1リットル当たりに換算すると、約7円。一方、水を購入する場合、仮に2リットル入り200円のペットボトルだとすると、1リットル当たり100円となる。

フィルター
フィルター。1個で約200リットルを濾過できる(写真:スタジオキャスパー)

 景気不透明感から財布の紐が固くなりがちな時代にあっては、経済性を重視してポット型浄水器を手に取る消費者が増えている。

 「料理にミネラルウオーターを使っていたが、節約のために購入したなどといった声を聞く」と土屋マネージャーは言う。毎日、水を買うことによって発生するゴミも、ポット型浄水器ならば出さずに済むメリットもある。

 用途は、家庭だけでなく、オフィスにも広がっている。

オフィス向けのタンブラー型も

 貝印が発売中の「オフィスロカ」(2100円と2310円の2種類)。一見、普通のタンブラーに見えるが、中には取り外しが可能なフィルターを内蔵している。容量は300ミリリットルと、飲みきりサイズ。2006年に第1弾を発表し、好調だったことから、2007年にデザインを改良したタイプを投入。堅調な売り上げを続けている。

貝印の「オフィスロカ」
貝印の「オフィスロカ」。ボトル内にフィルターを内蔵する

 「もともとは健康ブームを狙って発売したが、今ではエコや経済的な理由から購入していく人が増えている」と、企画販売推進部の古川和哉マネージャーは言う。

 浄水器メーカーなどで組織する浄水器協会によれば、浄水器市場に占めるポット型浄水器のシェアは、2003年の9%から、2008年上期には21%に達した。健康、エコ、経済性の三拍子が揃ったポット型浄水器は、今後さらに広がる可能性を秘めている。