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 学生(高校生)の理工系離れ,理工系学生のメーカー離れが叫ばれて久しい。これまで日経エレクトロニクスでも何度か,この話題について取り上げてきた。理工系学生の端くれだった私の場合,就職時はバブル全盛期だったこともあり,超売り手市場。メーカー離れが顕著で,金融企業などに就職した理工系学生も多かった時代である。

 そんな中,「教授推薦」で就職先を決める理工系学生もいたが(この場合,就職先はもちろんメーカー),私などは就職情報の会社からたびたび送られてくる分冊化された分厚い会社案内などによく目を通し,「この会社,面白そうなことができそうだな」とか「結構,給料が高そうだな」とか,いろいろ思案したものだった。OB訪問などもして,先輩たちの意見も大いに参考にした。

 そんな時代に対して,今はインターネットもあるし,ケータイもある。さまざまな口コミ情報などが,以前とは比べものにならないほど飛び交っていることだろう。そんな今どきの理工系学生はどうやって就職先を決めているのか…。ちょっと知りたくなった。

 先日,取材した某国立大学の理工系学部の教授に聞いてみた。

今でも,教授推薦で就職先を決める学生って多いんですか?

「それほど多くはないですね・・・。以前は極端な話,教授が『君はA社,あなたはB社』といった具合に学生を『指名』し,学生たちはそれに従って就職するケースが多かった。でも今,そんなことをやると大変。『職業選択の自由に反する』とか言われますから。だから教授推薦もなかなかできなくなり,減りました」

じゃあ,今の学生はどうやって就職先を決めているんですか。以前のように就職情報の本とか,OB訪問とか。

「そういったことのほかに,インターネット上の就職情報のサイトをよく見てますね。OBの声も重要視してますよ」

就職セミナーとかの案内をよく目にするんですけど,そういうものに今の学生って参加するんですか? 私が学生のときは,サークル活動とか,飲み会とか,アルバイトとか,もちろん授業とか実験も忙しかったですし,その手のセミナーに行く気は毛頭なかったんですけど。まあ,そんなセミナーがあったどうかということ自体,よく覚えていませんが。

「いや,今の学生は参加しますよ。高校生が大学を選ぶときにも同じような『大学選びセミナー』があって,私なんかも「ウチの大学はいいですよ,理系ってこんなに楽しんですよ」って説明しに行きますから」

えっ,高校生向けのそんなセミナーがあるんですか!

「理工系学部や理工系大学に対して高校生に興味を持ってもらおうと,我々も大変なんです」

なるほど…。タダでさえ今は少子化ですし,かつ理工系に進む高校生が少ない。このままじゃ,どんどん技術者が減っていってしまうことになるでしょうから,日本メーカーはこの先一体どうなってしまうのか,私もよく考えるんです。いい答えは見つかっていないんですが・・・。

「はっきり言って今,ウチの大学の偏差値は以前に比べて落ちています。入学生たちの学力が低下しているのは確かです。あと,今は理系を選ぶ場合でも,理工学部よりも医療・看護系学部に進む高校生が多い。まあ,時代を反映しているんでしょうね」

そんな学生が就職先を決めるとき,何をポイントに会社を選択しているんですか?

「最も影響を受けるのは,お母さんの意見です」

お母さん…ですか?