PR

 つらい花粉症の時期がようやく終わったのに、空気清浄機が「季節はずれ」の売れ行きとなっている。日本電機工業会によると4月の国内出荷額は18億4000万円と前年同月を67%も上回り、数ある家電の中でも突出したヒット商品だ。たばこなどのにおい取りが中心だった製品にウイルス除去や加湿の機能が加わって1年中使える商品となったうえに、新型インフルエンザの発生が思わぬ追い風になった。

「3倍以上」の販売台数

 この春以降、空気清浄機は各社とも販売を伸ばしているようだ。その中でも業界関係者がほぼ一致して「絶好調だろう」と見るのがシャープ。実際、同社によると「4月末から5月末までは、毎週の販売台数が前年同期の3倍以上」。日本電機工業会がまとめた4月の出荷台数は前年同期比27%増だから、確かに猛烈な売れ行きだ。

シャープの製品
シャープの製品は、イオンを放出して空気中のウイルスなどを分解する

 同社をはじめとする各社の空気清浄機は最近、脱臭のほかにウイルス除去や加湿の機能を加えた多機能化を競っている。シャープの製品は「高濃度プラズマクラスター」技術が特徴。プラスとマイナスのイオンを放出し、空気中に漂うウイルスなどを分解する。

 空気を機械の中に吸い込んできれいにするだけでなく、空気をきれいにする物質を放出するという仕組みだ。このためカーテンやソファに染みついたたばこのにおいも脱臭できる。

 主力製品の「高濃度プラズマクラスター加湿空気清浄機」(オープン価格)は、8畳の部屋にある空気を約13分できれいにする機種が3万5000円程度で販売されている。

 シャープに追いつこうと懸命なのがダイキン工業だ。同社は5月26日、空気清浄機に搭載している「ストリーマ放電技術」が、強毒性の鳥インフルエンザウイルスを3時間で100%分解・除去することを実証できたと発表した。

 同技術は酸化・分解力の高い電子を広範囲に発生させる。同社は安全な放電技術を確立し、空気清浄機に搭載している。木造で10畳程度の部屋を加湿する機能も持つ「うるおい 光クリエール」(オープン価格)が1台5万円前後で販売されている。

ダイキン工業のストリーマ放電法
照射するとウイルスが増殖せず、細胞が正常な状態で保たれている

 新型インフルエンザは今後もいつ大規模に発生するか分からない。同社はベトナム国立衛生疫学研究所との実験でストリーマ技術が鳥インフルエンザにも有効との結果が出たのを受け、「4月以降、前年比10~20%増の出荷台数をさらに伸ばしたい」と意気込む。


除湿やカビ対策の機能も

 空気清浄機の販売はこれまで、おおむね11月頃に増え始め、花粉症の症状がひどくなる2~3月頃にピークを迎えることが多かった。

 だが、最近は各社が「健康」を意識した機能を加え、1年間いつでも使える「通年利用」を目指してきた。例えばダイキンの「クリアフォース」は1台で加湿・除湿・集塵・脱臭の機能があり、本来は出番の少ない梅雨時でも力を発揮する。

 シャープもイオンによる除菌能力を裏づけに、店頭で「梅雨時のカビ対策にも使える」とアピールしている。

 空気中を漂う「見えない敵」は誰もが気になるところ。人々が健康を気にする思いは1年中、変わらないだけに、「通年利用」のニーズはこれからも増えそうだ。