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 夏の到来とともに、人々が気にし始めるのが蚊やハエといった虫。にわかに新しい虫よけグッズが注目を集めている。

 「最初はここまでヒットするとは思えなかった」

新しい需要を開拓した「虫コナーズ」
ベランダで使用するという新しい需要を開拓した「虫コナーズ」

 業界関係者が口を揃えて言うのは、吊り下げるタイプの虫よけ剤だ。ベランダの軒先や物干し竿に吊り下げて使用する。

 この吊り下げ型虫よけ剤が発売されたのは2007年のこと。大日本除虫菊が「虫コナーズ」(30日用の大きなタイプで、希望小売価格は704円)を発売した。以来、市場は前年の2倍のペースで伸びている。2008年は全体で37億円を売り上げた。今年は50億円強を販売する予定だ。今や新規参入する企業も増え、以前から馴染みがあるスプレータイプの殺虫剤と同程度の売り上げを誇っている。

ベランダ使用を想定した

 大日本除虫菊がこの商品を発売したのは新しい機能を持つ防虫剤を開発できたことがきっかけだ。これまでは電気を流すなどして熱を加えなければ防虫効果を出せない商品がほとんどだった。だが、熱を加えず、空気に触れるだけで防虫効果を発揮できる商品ができた。電気を使わずに済むため、屋外であるベランダで使用する商品として売り出した。

 ありそうでなかったベランダ専用の防虫剤。それが予想以上の支持を得た。最初に商品に飛びついたのが家庭の主婦だ。洗濯物を干す際にも、虫をよけたいと考える人が多かった。

 さらに商品の販売を押し上げたのが、部屋の中で虫を見たくもないという人々だ。最近では、マンションの高層階でもハエや蚊は侵入してくるようになった。ベランダに設置されている植木鉢などで繁殖しているためだ。

ベランダに吊り下げるだけで、防虫効果を発揮
ベランダに吊り下げるだけで、防虫効果を発揮する。1つ置いてあるだけで、安心感が増すという人も多い

 室内に侵入してくれば、自ら殺虫剤などを用いて処置をしなければならない。ただし、ベランダに防虫剤を置いておけば部屋に入ってこないから安心だと考える人が多かったのだ。

 「この虫コナーズを“見えない網戸”として売り出したところ、顧客から支持があがった」と上山久史専務は言う。今年、満を持して吊り下げ型虫よけ商品を発売したのがフマキラーだ。同社は「虫よけバリア」(30日用の希望小売価格は662円)という商品を発売した。

 「防虫効果が高い商品の開発に力を注いだ」という。

虫の侵入、70%防ぐ

 わずかな風でも商品が回転し、より広範囲に防虫効果が広まるように工夫した。商品の中央部分には液体の天然ハーブが入った容器を置き、時間が経つと液体が減り、取り換え時期の目安となっている。

 発売前には繰り返し効果を確かめた。1回に100匹の虫を放して、どれだけ侵入を防止できるかをチェックした。すると、70%の侵入を防止することができたという。

 この吊り下げ型虫よけ防止剤を含めて、殺虫剤市場は約1000億円。虫が苦手という人が増えたことに加えて、温暖化により虫の繁殖期間が延びたことによって市場は伸び続けている。

 消費者の細かな心理をとらえた画期的な商品を市場に送り出すことによって、さらなるヒットを築き上げることができそうだ。