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 書店で売っている人気のファッション雑誌が「通販カタログ」に早変わり――。あるサービスを使うと、こんなことが可能になる。ヤマトホールディングスの子会社「ネコレ」が手がける買い物代行だ。

交通費と比べれば安い手数料

 会員になれば、雑誌で欲しいものがあった場合、雑誌名やページ数、商品名、ブランド名、価格などをメールするだけで、ネコレのスタッフが代わりに日本中をくまなく探し回り、手元まで届けてくれる。ネコレが提携するブランドやセレクトショップで扱う以外の商品では、「おつかい料」と呼ぶ代行手数料が最低3800円からかかる。それでも、この不況をものともせず、根強い支持を集める。

 地方に住んでいたり、時間に追われて忙しいが、流行に敏感な消費者にとっては待ち望んでいたサービスだろう。国内の雑誌に載っていて、ブランド名やメーカー名さえ分かれば、どんな商品も注文できるからだ。実際、会員のうち、東京に住む人は10%に過ぎず、残りは地方会員という。

ファッション誌
ブランド名やメーカー名さえ分かれば、ファッション誌に限らず、どの国内誌に載っている商品でも注文できる(写真:スタジオキャスパー)

 男性向けファッション誌「Safari」を愛読する仙台市の医師、岩崎剛一さん(48歳)はネコレを利用して1年弱になる。これまでは2~3カ月に1度、洋服を購入するために上京していた。しかし、ネコレのサービスを知って以来、「新幹線代がもったいないし、雑誌でモデルが着ているのでイメージもわく」と頻繁に利用するようになった。

 これまで、ネコレが取り扱った商品は、「100万円のエルメスのバッグ」から「クリスチャン・ディオールの3万円のアンティーク日傘」、「バレンタインデーに贈るブルガリの1粒1500円のチョコレート」「人気の女性ファッション誌に載っていた100円の髪留め」まで様々なジャンルや価格帯に及ぶ。

 ファッションを追求する消費者の情熱は並々ならぬものがある。時には手数料より安い商品ですら、「どれだけお金を積んでも手に入れる価値がある」と判断し、購入する。一般の消費者とは違う、独特の金銭感覚を持つ“ファッション好き”の財布の紐は、不況になっても簡単には締まらない。

 ネコレは2004年11月からこの買い物代行サービスを始め、現在の会員数は約2万8000人に達した。2008年度には商品金額にして1億円分の買い物を代行している。今でも1日に平均30~50個分の注文が入る。男性誌ではSafariや「LEON」、女性誌では「CanCam」「Ray」など、モテることを狙う“モテ系雑誌”が人気だ。

在庫を持たない「通販メーカー」

 商品探しを代行するスタッフはたった4人。この人数で注文者の代わりにメーカーや百貨店などに問い合わせ、商品がある店舗に引き取りに行く。持ち帰ると、梱包して注文者に発送する。

ネコレに注文してから商品が届くまでの流れ

 ネコレの恩恵にあずかるのは消費者だけではない。百貨店やGMS(総合スーパー)で洋服が売れず、販路の開拓に悩むアパレルメーカーにとっても、販売ロスを減らす格好のチャンスになる。顧客からの注文を基にネコレが在庫を探しに来てくれるため、需要がない地域で在庫を余らせる必要がなくなるからだ。

 ネコレはいわば、在庫を持たない通販会社。不況でも衰えない消費意欲と、1品でも多く売りたいメーカーの需要をつなぎ、新たなビジネスチャンスを生み出した。