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 そんな中,私が注目したのは講演に対する感想である。「現在の自動車について詳しく知ることができた」「自動車業界における重要な技術などの全体像が,分かりやすく説明されていて良かった」といった意見をもらった。その一方で,驚きとともに感心する回答もあった。「内容が薄い。もう少し技術的な内容も取り上げてほしかった」「事前に調べた業界の話題と同等であり,基本的な話だった」「知っている内容がほとんどだった」などなど…。

 我々は現在,エンジニア向けに各種セミナーを展開しており,その際も聴講者に対してアンケートを実施している。「良かった」といった声がある一方で,「もう少し技術的に掘り下げてほしかった」といったような意見も頂くのだ。私は今回,「学生は自動車業界のことをそれほど詳しくは知らないだろう」という推測の下,プレゼンテーション資料を用意し,話をした。基本的な事項から将来動向までカバーしたのだが,内容の一部は私が現役のエンジニアとよく議論したりすること,つまりかなり専門的な内容もあった。

 ただ,今回話を聞いてくれた学生の中には,もはや現役エンジニアに近い知識を持つ人もいたのであろう。まさか「内容が薄い」といった声が出てくるとは,思ってもいなかった。そういう学生たちは「エンジニアの卵」ではなく,すでに「立派なエンジニア」なのではないか・・・。

 学生というと我々社会人は何となく甘く見がちだが,決してそんなことはないと改めて感じた。「先ほどの講演の中で出てきた技術についてですが,もう少し詳しく教えてください」。講演後の私を捕まえて,こう質問してくる意欲的な学生もいた。その眼差しは真剣そのものだった。

 今も昔も,変わらないことがある。少子化が進む現在ではあるが,「チャランポランなヤツ」もいれば,「すごいヤツ」「できるヤツ」も必ずいるということだ。考えてみれば当たり前のことだが,今回,多くの学生たちと接してみて痛感した次第である。

 残念ながら,彼らと話す時間はほとんどなかったのだが,一度じっくり話を聞いてみたいとも思った。「このようなイベントをやること自体は大いに賛成」「分からないキーワードは質問すると良いということが分かった」という意見ももらったので,また次の機会に生かしていきたいと考えている。その際は,このTech-On! Campusでも事前告知するので,ぜひ参加していただければ幸いだ。“すごいヤツ”に出会うことを期待している。