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 マンネリ感を打破し、斬新なソフトを生むには何が必要なのだろうか。パネリストからは、新たな人材の流入こそが急務の課題だという指摘が聞かれた。単に、ゲーム好きのプログラマが集まっただけでは、ゲーム・ソフト開発に大きなイノベーションを生み出せなくなってきているという。多様な才能をもった人材がゲーム業界に飛び込んでくることに期待しているようだ。例えば物理学や数学、生物学を専攻していた人材やコンピュータ・サイエンスの専門家、そしてアーティスティックなセンスをもった音楽・文学の達人などの英知を組み合わせることが必要とされている。そして、欧米では、既にそういった人材が着々とゲーム産業に入ってきているという。ではひるがえって日本はどうか。

 ここで私の頭をよぎったのが、日本の学生が就職活動を展開する際の母親の存在である。最近の日本では、学生が就職先を決定する際に母親の助言が極めて重要な役割を果たすという。助言というより、指示に近いのかもしれない。入社式に父兄が同席したがることも多いとも聞く。子供の親離れが進まないのは残念なことだが、この状況はゲーム産業にとって向かい風といえる。才能豊かな学生がゲーム業界に飛び込もうとした際、母親からどんな意見が出ることだろうか。ゲームに対して暖かい理解を示す母親は少ない。「数学を専攻したのに、ゲーム業界にいくなんて・・・」といった声が多勢だろう。

 やはり日本では、「ゲームはおもちゃの延長、子供の遊び」としかみられていない。「ゲームはグローバル競争に通用する文化であり、文明である」――こうした認識が広がれば、ゲーム業界に就職する子供を誇りに思う母親も増えることだろう。そういえば、今回のパネル討論会で、スクウェア・エニックスの和田社長がこう発言していた。「大人もCoolと思えるような、かっこいいゲームの登場が待たれる」。まさにその通りだと思う。