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 野菜を煮て、つぶして、裏ごしして…。とろりとした、おいしいポタージュスープを作るのに必要なのは、まず「根気」だろう。多忙な毎日にあって根気の代わりに一役買ってくれる「スープメーカー」の人気がじわりと広がっている。よく洗った野菜を切って入れるだけ。炊飯器に匹敵する手軽さが、手作りスープにつながる扉となった。

野菜を角切りにするだけ

 浄水器などを販売するゼンケン(東京都文京区)は2008年9月から「vikura」のブランド名でスープメーカーのインターネット販売を始めた。ブランドは「美しく暮らす」という言葉からの造語。浄水器や遠赤外線暖房機、空気清浄機などを販売してきた経験から、生活に彩りを与える商品に育ってほしいとの狙いを込めた。

vikuraスープメーカー
「vikuraスープメーカー」はスープ、食べるスープ、おかゆに対応する

 その「vikuraスープメーカー」の見た目は一般家庭で使うコーヒーメーカーのような格好と大きさだ。

 例えばかぼちゃを材料に使うパンプキンスープを作る場合。火を通していない状態のかぼちゃの皮を取って1cmの大きさで角切りにしておく。同じように角切りにした玉ねぎ、スープの素と一緒に水の中に入れ、それをそのまま機械に入れて上部の「スープ」ボタンを押す。調理の段取りはこれで終わりだ。

 機械はこれから、下にあるヒーターで水をぐつぐつと煮立てる。95度まで温まった段階でヒーターが切れ、容器のふたについたカッターが野菜を混ぜながら切断する。「ガッガッガッ」。野菜を切る時に出る音はかなり大きく、最初に作る時は少し驚くかもしれない。

 水を入れてから30分ほどで調理が終わる。歯でかめるようなかぼちゃのかけらは全く残らず、黄色が鮮やかなスープが出来上がる。ほとんどの野菜はそのまま使えるが、にんじんなどの硬い野菜をスープにする時は、素材を電子レンジで温めて軟らかくしておくと、かけらが残りにくい。

 調理の機能はほかにも、けんちん汁などを作る「食べるスープ」と、「おかゆ」の2つがある。ゼンケンが取扱説明書とともに商品につけた「スープレシピ集」は20種類のスープについて素材の分量などが解説してある。購入してもらった人に「棚にしまい込むのではなく、長く使い続けてほしい」(ゼンケンの前田伸二管理部長)として、インターネットのサイトでもレシピを随時更新している。

 同社のスープメーカーは今の機種が3世代目。ポットのような形をしていた旧機種と比べると洗練したデザインとなり、分解して洗いやすくするなど使い勝手にも配慮している。

 ただ、価格はネット販売の商品で1台2万9900円とやや高価だ。これまでは健康食品を扱う専門店などに販路を絞っていたという事情があるものの、販売台数は累計で約8万台となった。子供の離乳食のほか、かむ力が衰えてきた高齢者など、これからは幅広い利用者が見込まれるという。

冷蔵庫の残り物もスープに

 同じ機能を持つ商品としては、主にモーター製造を手がける山本電気(福島県須賀川市)の「すーぷじまん」(1台2万6250円)がある。やはり野菜を水などと一緒に入れると、35~40分でスープが出来上がる。こちらは豆乳を作る機能もあり、上の段におから、下の段に豆乳ができる2段方式の機械になっている。

 「野菜が足りないな」「ウチの子供は野菜をあまり食べなくて困る」。食生活にこんな話題は事欠かない。スープメーカーに入れる野菜は冷蔵庫に少しだけ残った野菜を勝手に選んでも構わない。どんな有名シェフでも思いつかない、節約レシピの開発にも役立ちそうだ。