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 「温室効果ガス25%削減」を巡る対応に加え、鳩山政権の売り物の1つである行政刷新会議の人事を巡って、新聞各紙には「経済同友会の存在感が増してきた一方、日本経団連は民主党との距離感に悩んでいる」といった論調の記事が相次いで掲載されました。

 行政刷新会議の人事で民間議員に選ばれたのは、京セラの稲盛和夫名誉会長やキッコーマンの茂木友三郎会長ら。この2人はいわゆる経団連人脈ではありません。稲盛氏は旧民主党と自由党との合併の仲介に尽力したし、茂木氏は同友会の元副代表幹事でした。自民党政権が経団連と歩調を合わせてきた流れと比べると、民主党が経団連とは一定の距離を置いているようにも映る人選です。

 温室効果ガスの25%削減目標を巡っては、同友会が目標を支持して協力姿勢を鮮明にする一方で、経団連は国際競争力や国民負担への影響を強く懸念しています。同友会の桜井正光代表幹事は直嶋正行経済産業相と会談した際、25%削減の政府目標について「同友会としてできる限り協力する」と表明。「同友会の存在感が高まってきた」という報道もありました。

 経済同友会は元々、気鋭の企業経営者が個人の資格で参加し、国内外の諸問題について自由に議論を交わしてきました。歴代の代表幹事にも多くの論客が名を連ねています。ところが近年では、旧経団連と日経連が統合し、財界全体の存在感が低下する中で、いったい「どういう会」などとも揶揄されていました。国家戦略の中枢部分に関連して同友会の言動がこれだけ注目されるのは久々のことではないでしょうか。

25%削減、工場以外での努力が不可欠

 もっとも、温室効果ガス25%削減への道筋は、必ずしも経団連に象徴される重厚長大型の製造業ばかりが逆風になるのではないはずです。製造業は生産性の向上や省エネで既に相当な努力をしていますから、温室効果ガス削減でさらに大幅な上積みを要求されても限界があるのは当然のこと。25%削減の目標を達成するためには、製造業の工場などより、オフィスや住宅、運輸などの部門での努力が不可欠だからです。

 というのも、日本全体の温室効果ガス排出量に占める製造業など産業部門の割合は40%台で、オフォスや住宅、交通などを含めた業務・家庭・運輸部門などを合計した割合が過半を占めているのです。どちらかというと、非製造業の部分や個人の住宅、店舗、そして自動車などの「エコ比率」も相当高めていかないと、25%削減の達成は難しいと言わざるを得ません。