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 レストランを格付けした「ミシュランガイド京都・大阪2010」が10月16日に発売されました。日本料理の名店が集まる京都では発売前の調査の段階から、「掲載拒否」の店が相次いで現れたことが報じられるなど物議を醸していたものです。老舗の日本料理店では「料理だけで判断する姿勢を受け入れられなかった」と言っていました。確かに特に京料理では、お庭や玄関、部屋などの手入れをはじめ、料理そのもの以外にもたくさんの「もてなし」があることが文化でもあるといえます。

 「もてなし」の語源は「(モノなどを)持って成し遂げる」という意味といわれています。日本料理で言えば、料理以外の様々なモノにも魂のメッセージを込め、礼儀やマナーはもちろんのこと、きめ細やかなコミュニケーションなどを通じて、お客さんの感動を成し遂げるということでしょう。もてなしは感性でもありますから、決して固定的なものではなく、その時々の場面で臨機応変に振る舞うことも欠かせません。

お客さんも「感動実現」のプロセスに参加

 「もてなしを集大成したものは旅館である」との思いから、レストランビジネスで成功した経営者が旅館やホテルなど宿泊ビジネスに転進したケースがあります。1998年にフードスコープを設立した今井浩司氏。日本では鶏料理の「今井屋本店」や生カキなどの「MAIMON」を展開し、ニューヨークなどで「MEGU」を出店してきた人です。その今井氏はもてなしを極めるために、日本で独自の旅館を開設し、将来は海外にも日本旅館を展開して、もてなしの心を広めたいということです。

 「BAR」という空間も、この臨機応変なもてなしの極め付きだと思います。バーテンダーはお酒などを作るだけでなく、カウンターに座るお客さん1人ひとりの状況に応じて、適度に話しかけたり、あえて放置したり、面識のないお客さん同士を結びつけたり、逆に引き離したり……。誰はどこに座ってもらうか、声が大きすぎるなど酔っ払った人をどこまで許容するか、注意する場合はどう言うか、などきりがありません。

 中国の上海では昨今、「日本人バーテンダーがいます」という宣伝文句だけで、そこのBARが大繁盛したということがあったそうです。お酒の作り方はもちろんですが、日本人バーテンダーのホスピタリティーが人気を呼んでいるということです。