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 野球、サッカー、ゴルフ、陸上…。プロスポーツ選手の着用する“肌着”に最近、ある変化が起きていることをご存じだろうか。ユニホームの下からのぞく、体にぴたりと密着したインナーシャツ。体を適度に圧迫するように包み込み、運動機能を向上させることから、多くの選手が愛用している。

 このウエア、専門用語で「コンプレッション(圧迫)ウエア」と呼ばれている。その人気が、一般のスポーツ愛好家にまで広がっている。

伸縮自在、冬でもあったか

 身体に適度な圧力をかけると、血液の循環が良くなり、疲労の軽減や回復につながると言われている。運動の際に発生する筋肉の余計な振動を防ぐこともできるため、体への負担を減らすことに一層の効果がある。

 「もともとは、アメフトや野球選手が好んで着用していたが、ゴルフやトレーニング用途でも注目を浴び、人気が広がっている」(ウエア大手の米アンダーアーマーの日本総代理店、ドームの高下泰幸・取締役マーケティング本部長)。製品の売り上げは2007年から2008年が約3倍、今冬も昨年に比べて2倍以上の売り上げを見込む。

 「テックフィット」ブランドでウエアを発売するアディダスジャパンも、「2006年の発売開始から、2ケタ成長で売り上げは伸びている」と森下尚紀・カテゴリーマーケティング・ディビジョンマネージャーが言う。価格は写真右(上)のアンダーアーマーの「コールドギアモックタートルネック」で6720円(税込み)。写真右(下)のアディダス「TECHFIT POWERWEBショートスリーブTシャツ」で8295円(同)。いずれもシャツのほかにパンツタイプがある。一般のシャツなどに比べてかなり高価だが、それでもスポーツ愛好家が購入するのは、何よりも着心地の良さに理由がある。

 筋肉に適度な圧迫を加えながら、発汗性に優れ、保温性もある――。メーカーによって多少の差はあるが、ウエアの特徴はこれらに集約される。

 例えばアンダーアーマーのウエアは、使用する繊維と特殊な編み方でこれらの機能を実現する。極細の繊維をきめ細かく編み込むことで、伸縮性を確保している。「元の2倍以上に伸びるので、激しい動きにもウエアの密着感は薄れない」(高下取締役)。

 ウエアは水分を吸うとすぐに拡散し、蒸発を促す構造になっている。汗をかいてもすぐに吸収し、発汗を促す機能を備えている。

 さらに、「ワッフル構造」と呼ばれる特殊な編み方が、冬でも暖かい状態を持続させる。具体的には、肌に接触する面がワッフルのような凸凹構造になっており、その凹んだ部分に体温によって暖められた空気が滞留する。それらが、収縮自在な繊維によって、いつまでも肌に密着するため、体温が下がりにくい仕組みになっている。

サッカー日本代表も着用

 アディダスのテックフィットは、これらの機能に加えて、「パワーバンド」と呼ばれるゴムとプラスチックの中間素材をウエアに取り入れた。

 このウエアを着て運動をすると、バンドが体の動きに合わせて伸縮する。その際、バンドが元に戻ろうとする力を利用して、運動能力を高めるというわけだ。肩甲骨周辺や骨盤を矯正し、姿勢を正す効果もあるという。アディダスではこの機能を、2010年サッカー日本代表の新ユニホームにも採用した。各メーカーとも、インナーウエアは今後も伸びが見込めると見ているだけに、気合も十分。メーカーの熱い戦いはしばらく続きそうだ。