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 一風変わった映画ソフトが家電量販店などの店頭に並んでいる。

 タイトルには「ハリー・ポッター」シリーズや「アンタッチャブル」など見慣れたハリウッド大作がずらりと並ぶ。ただし、パッケージの中に入って売られているのは、DVDでもビデオテープでもない。パソコンに挿入して使う小型のUSBメモリーだ。

 ソースネクストが2009年6月に発売した「超字幕」シリーズがそれ。価格は旧作3490円、新作4980円など。通常のDVDソフトよりやや割高だが、9月末までに累計30万本を出荷するヒット商品となった。

 変わっているのは、媒体だけではない。この映画ソフトは、英語の学習に利用するために最適化されて作られている。作品が丸ごと1本視聴できる映画ソフトでありながら、同時に、いわば「英語学習ソフト」でもあるのだ。

DVDでの学習に不満

 英語学習に映画を使う人は多い。

 初級の文法や語彙を修めた学習者が、より自然な表現や言い回しを身につけるために。あるいは語学教材にある「聞き取りやすい、正しい発音」ではない、世間一般で交わされる英会話を聞き取る訓練をするために。何度も同じ映画ソフトを繰り返し視聴して学習するというのが一般的だ。

 ただ、通常のDVDソフトは必ずしも英語学習には向いていない。

 まず「繰り返し再生」の煩雑さがある。通常のDVDソフトはシーンを数分間から数十分間の長さに区切っている。1つのセリフを何度も繰り返して再生しようとすれば、学習者自らが、セリフの長さに応じて「巻き戻し」と「再生」ボタンを押す操作が必要になる。これが学習者の負担となる。

 超字幕はこの煩雑さを解消した。セリフ単位で映画を区切ることで、パソコンのキーを打鍵するだけでどのセリフでも簡単に繰り返し再生できるように設計されている。

画面はビジネスパーソンに人気の「超字幕」版「不都合な真実」の一コマ。単語の意味も表示されている
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 ほかにも語学学習のための機能を搭載している。字幕の英単語をクリックするだけでその単語の意味を表示する、映画の中のセリフをランダムに抽出し、聞き取りの穴埋め問題を生成する、といった機能だ。いずれも学習者の「不便」をうまく解消した。

 映像の画質は、USBメモリーの容量にデータを収めるために圧縮されており、DVDよりは劣る。ただし、大型テレビに表示しない限り、その差はほとんど分からない。

 ソースネクストのホームページからダウンロードして購入すれば、パッケージを購入するよりも安価だ。12月末までは、旧作ソフトの多くは990円で販売されている。

 同シリーズ発売前の2009年5月と発売後の7月で比較すると、語学・検定ソフトの市場規模はおよそ2.7倍に成長している(GfK Japan調べ)。新規参入ながら、消費者の「不便」と解消するアイデアによって、未開の市場を切り拓くことができたと言えそうだ。