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大阪府立高専の展示ブース
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 電子や原子といった微視的な対象や,電界や磁界など目に見えない現象を扱うため,概念を理解しにくい電磁気学。その概念を,直感的に理解できるようなシミュレーション・ソフトウエアを,「セミコン・ジャパン2009」(12月2~4日,幕張メッセ)の高等専門学校(高専)特設ブース「The高専@SEMICON Japan 2009」で,大阪府立工業高等専門学校が展示した。

 電磁気学分野のシミュレーション・ソフトウエアは,企業向けに様々な開発ツールや解析ソフトが開発されているが,教育用途に向けたものは少ない。そこで大阪府立高専は,学生の理解を促すシミュレーション・ソフトの開発に焦点を当てた。今回,クーロン力をシミュレートするソフトと,フレミング左手の法則を3次元で可視化するソフトをそれぞれ開発し,セミコン・ジャパンの会場内のブースで披露した。

クーロン力のシミュレーション,目に見えない荷電粒子の動きを可視化

クーロン力のシミュレーション・ソフトを開発した藤原賢二さん
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 クーロン力は,電荷を帯びた粒子が引き合ったり,遠ざけ合ったりする力。今回開発したソフトでは,荷電粒子にどのような力が働いて,どのように動くかを示す。クーロン力は,荷電粒子の電荷量や粒子間の距離,場の誘電率によって変わる。ユーザーは,荷電粒子の電荷量や場の誘電率を任意に設定できる。荷電粒子の数も自由に増やすことができ,生成した荷電粒子はクーロンの法則に従って動き続ける。目に見えない荷電粒子の動きが可視化されるため,クーロン力の概念をつかみやすい。

 このシミュレーション・ソフトを開発したのが,大阪府立高専 専攻科 電気電子工学コース2年の藤原賢二さん。藤原さんは5年制の課程を終えた後,専攻科に進学し,研究テーマとして教育用シミュレーション・ソフトウエアの開発を選んだ。専攻科に進学する前の本科生の時に,インターンシップで3次元グラフィックスのプログラミングに触れたことと,電磁気学がよく理解できなかったことが,シミュレーション・ソフト開発の動機になったという。

 藤原さんが所属しているのは電子デバイス系の研究室であるため,シミュレーション・ソフトを研究テーマにしていた先輩はいなかった。そこで,藤原さんは一から研究を立ち上げることになる。全くの手探り状態で,初めは何を作れば良いかさえ分からず,「クーロン力の3次元可視化シミュレーション・ソフトを作ろう」という目標を決めるまでに長い月日を費やしたという。

動画 クーロン力のシミュレーション・ソフトの動画デモ(約37秒の動画)
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