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 ボールペンでノートに書いた文字やイラストを、そのままデジタルデータ化できるペンがじわりと売れ始めている。「デジタルペン」と呼ばれる商品だ。

 「文字でも図でもイラストであっても、ノートに実際に書きながら、それだけでデジタル化できる」。この便利さが最大の売り物だ。

ペンとクリップがあればいい

 最も売れているのが、ぺんてるの「airpen(エアペン)」シリーズだ。大幅に小型化し、販売価格を1万5000円以下と従来品の約半額に抑えた「エアペン ミニ」を2008年11月に発売したところ、販売本数はそれまでの10倍に増えた。2009年12月には新商品も投入し、2009年は3万本の販売を見込む。

 デジタルペン営業部の田島宏氏は「客の多くは30~40歳代のビジネスマン。特に、仕事術や情報術にこだわりを持つ人が中心になっている」と話す。

 文房具なのかパソコンの入力装置なのか商品の境目が曖昧なため、売り場は様々だ。ヨドバシカメラマルチメディアAkibaは、1階ではパソコン周辺機器として、パソコンで絵を描ける「ペンタブレット」と同じ売り場に並べ、パソコンに明るい客層にアピール。また2階では電子辞書などと並べることで、1階の売り場には訪れないような客層の取り込みを狙っている。

 エアペンは、データの確認や加工以外ではパソコンを使わない。ペン1本というわけにはいかないが、書く時に必要なのは、専用ペンとクリップ型の端末だけだ。ペンから出る赤外線と超音波を、クリップで1秒間に58回検知し、3点測量の要領でノート上でのペンの位置を読み取る。

 記録したデータは、好きな形で出力できる。1枚の画像として見られるのはもちろん、文字だけを抽出してテキストとして表示できる。手書きの文字を読み取るため、文字認識の精度には課題も残るが、ノートを見ながらゼロから打ち直すよりは速い。

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パッドを用いたタイプも

 違う方法でペンの動きを読み取る商品もある。プリンストンテクノロジー(東京都千代田区)の「デジタルインクパッド」がそれだ。A4判大のクリップボード型をした本体で、3点測量方式と違い、ペンから出る電波をボードに埋め込まれた基板で検知する。本体が大きいため、若干かさばるが、重量は650gとそれほど重くない。より近い位置から認識するため、「精度は高い」(プリンストン)。

 デジタルインクパッドは議事録作成を想定して開発されているため、ボイスレコーダー機能も備える。「会議室に設置し、会議室の使用者が使い回しているようなケースもある」という。

 デジタルペンは従来からあったが人気は一部マニアにとどまっていた。課題だった大きさと価格を見直すことで、一般消費者もターゲットに入れることができたといえる。

 「いつでも手軽に何でも書ける」。ペンの良さをそのままに、効率よくパソコン上で情報管理できるデジタルペン。キーボードになじみがなかったり、デジタル機器をなかなか使いこなせない人にはとっつきやすいかもしれない。「取ったメモが、すぐなくなる」「思いつきで書いた図をデータ化して残したい」。こんな人は、デジタルペンを片手に仕事始めを迎えてみてはどうだろう。