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 1cmもの厚さがある金色のカタログを開く。まず目に飛び込むのは、ユネスコの世界自然遺産に登録されている屋久島の風景と、自然に囲まれたホテルの写真だ。さらにページをめくっていくと、京都の料理旅館の懐石料理や和光の牛革ハンドバッグ、純銀製の茶筒など、高級感溢れる写真と商品概要が並んでいる。宿泊、食事券から高級ブランド品まで合計110点、210ページに及ぶカタログは、見ているだけで贅沢な気分に浸ることができる。

 これはカタログギフトの企画開発・販売を手がけるリンベルが、2009年11月に発売した10万円ギフトコース「ユニバース」のカタログだ。百貨店やホテル、結婚式場など全国にある同社の取引先で扱う一方、インターネットなどを通じた直販もしている。

 10万円と結構な値段にもかかわらず、出足は好調だ。百貨店では発売間もないにもかかわらず月に20個前後のペースで売れているほか、「社員に記念品代わりに配るので、1000冊購入したいと連絡してくる大手企業もあった」(リンベルの東海林秀典社長)。

 しかし、このデフレ時代になぜ、10万円という高額なギフトカタログが注目を集めるのか。そこにはリンベルの巧みな市場の「読み」があった。

家族や親しい人と一緒に楽しめる、体験型の商品も多い

商品券に取って代わりたい

 リンベルが狙ったのは、10万円分の商品券との「置き換え需要」だ。

 商品券市場において、10万円分の商品券は創業記念や永年勤続の際のお祝いなど、法人需要が高い。しかし、商品券を渡すだけでは味気なさが残るのも事実。そこにカタログギフトへの置き換え需要があると見込んだ。「10万円のギフト、センス良く贈れますか?」というコンセプトを前面に打ち出したところ、上質感のある品揃えに「商品券にはない贈り物感が得られる」と消費者から好評を博した。

 一方で照準を定めたのが、結婚に絡めたギフトとしての需要だ。

 節約志向の高さが指摘されるご時世ながら、男女が結婚にかける費用は年々高まっている。結婚情報誌「ゼクシィ」(リクルート発行)が2009年10月に出した「結婚トレンド調査2009」によると、全国における結婚費用(結納から新婚旅行までにかかった費用総額)は、2008年に比べて12.7万円アップの433万円。ギフトにかける金額も年々上昇傾向にある。リンベルはそこに目をつけた。実際、購入者の用途を見ると、結婚式の内祝いなどに用いるケースも目立つという。

 10万円ギフトカタログの反響を受けて、リンベルでは5万円のギフトカタログについても、2010年内をメドに大幅にリニューアルする予定だ。

 現在発売している5万円のカタログは、一見3000円や5000円のカタログと大差ない作りになっている。リニューアルを通じて、10万円のカタログさながら上質感を追求した商品に仕上げる。5万円のカタログギフトの需要はここ数年微増傾向にあるが、リニューアルを通じて、さらなる法人需要の開拓を目指す。

 高級ギフトカタログの相次ぐ発売によって、ギフト市場は新たなフェーズを迎えそうだ。