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 「たっぷり3時間 世界遺産 姫路城 夜行日帰り2食付き!! 13,800円」。ある新聞広告が目に飛び込んできた。

 首都圏から深夜バスで姫路城に向かい、観光客が比較的少ない午前中に姫路城を3時間見学して、再びバスに乗り、夜に解散するというもの。朝食と昼食は弁当で、姫路城と途中の休憩以外は、すべてバスの中という、まさに姫路城を見るためだけのツアーだ。

1週間で1300人が殺到

 旅行代理店のクラブツーリズムが2月7日に新聞に広告を出して募集を始めたところ、わずか1週間で1300人の申し込みがあったという。しかし今、なぜ姫路城なのか。

 実は4月12日から保存修理工事「平成の大改修」に入る。これは1964年に完了した解体復元工事以来、46年ぶりの大規模改修。シンボルである大天守が9月下旬にかけて、素屋根ですっぽり覆われ、来年1月末までの約10カ月間は大天守内部に入れない。

 その後もしばらくは素屋根に覆われた状態で漆喰壁の補修などが実施されるため、白鷺城とも呼ばれる今の勇壮な姿が再び見られるようになるのは、5年後になる予定だ。

 姫路城が「日本さくら名所100選」に選ばれた桜の名所でもあることから、花見の時期に合わせ、3月19日から4月9日の金曜日、土曜日の夜、東京都内のほか千葉や水戸、宇都宮など1都6県、50カ所から出発する。「出発日、出発場所によっては、満席となっているものもある」という人気ぶりだ。

 夜行バスでの0泊2日という強行スケジュールにもかかわらず、参加者の年齢層は50~70代が中心。夫婦やグループでの参加のほか、1人での参加が多いのも特徴だという。「週末の設定にしたことで、働いている人でも気軽に参加しやすいのではないか」(クラブツーリズム)という。

優美な姿が魅力の姫路城(左)。「夜行日帰り」だが「たっぷり3時間」見られるのがツアーの宣伝文句だ(写真左:中原 敬太)

 既に姫路城では、改修前に一目見ようと観光客が急増中。2009年は年間の入城者数が133万6000人と前の年比14%増加。今年に入っても「1月は9万人を超えた」(姫路城管理事務所)といい、前年同月比4割増となった。

 改修がきっかけとなって観光客の“駆け込み需要”に笑いが止まらない兵庫県姫路市だが、改修中の観光客の落ち込みは懸念材料。そのため既に工事期間中にどのように観光客を誘致するかに必死だ。

改修中は入城料を割引

 大天守以外の施設は、従来通り見学できるが、工事期間中は通常大人600円の入城料を400円に、小人は200円を100円に引き下げる。

 さらに大天守を素屋根で覆った後に内部に見学施設を設け、修理の様子を公開。エレベーターを設置し、車イスでも上がれるようにする。「普段は見られない場所から見られるので、改修中もぜひ足を運んでもらいたい」(観光交流推進室)としている。

 まずは改修前の姿を目に焼きつけて、その後は改修中の素屋根に覆われた様子、さらに改修後の生まれ変わった姿と、姫路城が生まれ変わる様子を体験してみるのも面白いのではないだろうか。