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 今の若い皆さんは、海外に対する憧れってあるんでしょうか。私たちが学生のころは、音楽といえば洋楽、映画といえば外国映画。日本の音楽といえば演歌か歌謡曲、邦画といえば高倉健、渥美清、聴いたり見たりするのはオジサン、オバサン、そう決めてかかっていました(ちょっと大げさですが)。

 でも今はレコード、おっと間違いCDの売り上げや、映画の興行収入を見ても、邦楽、邦画が私たちの学生のころに比べてはるかに強くて、まさに隔世の感があります。日本の音楽も映画も、ずいぶん進化しているということを実感します。ハリウッド映画って、なんかうんざり、という感じもよく分かります。

 でも、ちょっと気になる報道を目にしました。それは、若い人の海外旅行離れが進んでいるというのです。もちろん、最近の厳しい経済情勢を反映しているという部分はあるでしょうし、日本にも美しい場所や、興味深い名所旧跡はたくさんあります。しかしそれでも、若い人が、海外の音楽や、映画や、旅行に、昔より興味を失っているように見えるのが、ちょっと気になるのです。

 それはどうしてかというと、これからの日本が生きていくうえで、これまで以上に海外の人たちとの関係を深めていく必要があると思うからです。皆さんはもう、耳にタコができるほど聞かされていることでしょうけれど、日本は、世界のどの国も経験したことのない高齢社会へと突入していきます。人口も減少し、国内の経済成長率は低下するでしょう。そうした中でも、エンジニアとして所属する企業を成長させようと考えたら、海外の市場に目を向けることが、これまで以上に重要になってきます。

 日本の製造業はこれまで、米国という巨大な市場で大きな利益を上げてきました。しかし今後は、中国やインド、東南アジア、南米といった新興国市場の世界経済に占める比率がますます上昇していきます。こうした国々に受け入れられる商品を開発することは、これからのエンジニアの皆さんの大切な仕事ですが、それぞれの国の消費者のニーズは、当たり前のことですが国によって大きく異なります。そうしたニーズの違いをきめ細かく把握するには、現地の人たちとの密接なコミュニケーションが不可欠です。

 最近、サムスン電子やLG電子といった韓国企業の強さについて、経済雑誌が相次いで特集を組みました。日本にいるとあまり気がつきませんが、液晶テレビではサムスン電子が世界シェア1位で、日本のソニーやパナソニックを大きく引き離しています。またサムスン電子の営業利益は2009年7~9月の実績で、日本の主要電機メーカー9社の合計を上回ったほどです。

 まさに、日本の電機メーカーが束になってもかなわない同社の強みを一口に言うことは難しいのですが、その秘密の一つは同社が「国際化」ということに全社を挙げて取り組んできたことでしょう。